日本にはどのようなコウモリがいるのかご存じでしょうか?
ココウモリとオオコウモリの違いから、日本に生息するコウモリ15種、ペットにオススメの2種を紹介していきます。
このような方におすすめ
- コウモリの種類や特徴、生態を知りたい方
- コウモリを飼ってみたい方
- コウモリの駆除方法を詳しく知りたい方

世界中のコウモリは2種類に分けられる

コウモリは世界で約1000種類いるといわれていますが、
大きさや食性によって、2つに分類されています。
世界の8割がココウモリ、2割がオオコウモリ(フルーツコウモリ)です。

ココウモリ
ココウモリは世界に生息するコウモリの8割を占め、主に昆虫を捕食します。農作物を荒らす原因となる害虫を食べることから益獣として扱われることも多いです。
体長は種類によって異なるものの、最大で10cm程度とオオコウモリとは異なり、基本的には視覚ではなく超音波を利用してエサや障害物の場所を認識しています。
ココウモリは全世界に分布し、日本に生息する34種類のコウモリのうち32種がこのココウモリに分類されます。
オオコウモリ(フルーツコウモリ)
オオコウモリは世界に生息するコウモリの約2割を占め、果実や花粉を食することから通称フルーツコウモリとも呼ばれます。
その名の通り大型で、翼を広げると1m以上になるような種も存在し、視力が良いため障害物やエサが認識できます。
主にアメリカを除く熱帯や亜熱帯に生息しており、日本にはオガサワラコウモリとクビワオオコウモリの2種が生息しています。
家屋に棲みつくのは主にアブラコウモリ

アブラコウモリは、家のわずかな隙間にもぐりこみ、巣や子育ての場所として利用する日本人にとって馴染みのあるコウモリです。
山岳部から都市部まで生息地となっており、夕方の空を飛び回っている姿を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
そのほとんどがアブラコウモリの可能性が高いです。
別名イエコウモリと呼ばれる
アブラコウモリは都市部の建物に棲みつくことからイエコウモリとも言われます。
屋根裏や壁の隙間、換気口などを巣にして、人の生活圏内で見られることが多く日本各地に生息しています。
アブラコウモリが家屋に棲みつく理由
森林破壊や雑木林の減少により、アブラコウモリは本来の生息地を失いつつあります。
その結果、彼らは新たな拠点を求めて人間の生活圏へと移動し、家屋の屋根裏や軒下などに棲みつくようになりました。
環境の変化がアブラコウモリの行動範囲に影響を与え、人間の住居への侵入を招いているのです。
日本の主なコウモリを15種紹介!
日本には30種類以上のコウモリが生息しているといわれており、8つに分類されています。
日本のコウモリの種類
・ヒナコウモリ科
・カグラコウモリ科
・キクガシラコウモリ科
・オヒキコウモリ科
・ユビナガコウモリ科
・オオコウモリ科
・サシオコウモリ科
その中でも代表的な15種を紹介していきます。
ヒナコウモリ科
身体が小さく日本在来種のなかで最も多くの個体数がいるといわれているのが、ヒナコウモリ科です。
小さな目と丸みのある体躯、昆虫を主食とする特徴があります。
アブラコウモリ

アブラコウモリの基本情報
| 和名 | アブラコウモリ |
| 分類 | ヒナコウモリ科アブラコウモリ属 |
| 学名 | Pipistrellus abramus |
| 体長 | 4~6cm |
| 体重 | 5~10g |
| 生息域 | シベリア東部からベトナムにかけてのアジア大陸、台湾、日本 |
アブラコウモリの生態
日本では、春から秋の活動が最も活発で、11月頃から暖かい場所に複数匹で集まり、冬眠に入ります。
昼間は巣で休み、日没近くから夜間に活動する夜行性で、日没後2時間はエサを探しに飛び回ります。
蚊、ユスリカ、ヨコバイなどの小型昆虫類を主食とし、ウンカ、甲虫、ゴキブリなども捕食します。
アブラコウモリの特徴
アブラコウモリの鳴き声は普段人間には聞こえません。
まれに、威嚇した時に上げる「キィキィ」「チチチチ」と甲高い鳴き声を発します。

アブラコウモリの糞は、5~10mmほどの大きさで、細長く、黒っぽい色をしています。
主に昆虫を主食としているため、糞には昆虫しか含まれていません。
アブラコウモリが好む環境

アブラコウモリは、都市部から森林まで幅広い環境に適応するコウモリです。
市街地では公園や駅周辺の高架下や繁華街のビルの隙間、農村部では納屋や倉庫、古い神社や寺院の屋根裏など、人の出入りが少なく静かな場所を好みます。
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ヒナコウモリ

ヒナコウモリの基本情報
| 和名 | ヒナコウモリ |
| 分類 | ヒナコウモリ科ヒナコウモリ属 |
| 学名 | Vespertilio sinensis |
| 体長 | 5.9㎝~8.0㎝ |
| 体重 | 14〜30g |
| 生息域 | 日本、ロシア、モンゴル、朝鮮半島、中国、台湾などユーラシア大陸の広域 |
ヒナコウモリは絶滅危惧種に指定されています。
ヒナコウモリの生態
ヒナコウモリは、春になると数十から数千に及ぶメスの妊娠個体が集まり、出産哺育コロニーを形成します。
夜行性で日没から夜明け前まで活動し、蝶、ハエ、カメムシなどの飛翔昆虫を捕まえます。
ヒナコウモリの特徴
片手でつかめるほどのコンパクトなサイズで、背中の黒褐色の毛に銀色が混ざる体毛や、丸みのある幅広い三角形の耳、
後ろ脚の中央から伸びる飛膜などが特徴です。
ヒナコウモリが好む環境
鉄道高架の隙間や木造の建物といった人口構造物や、自然洞窟、岩の割れ目といった場所を主なねぐらとしています。
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ヤマコウモリ

ヤマコウモリの基本情報
| 和名 | ヤマコウモリ |
| 分類 | ヒナコウモリ科 ヤマコウモリ属 |
| 学名 | Nyctalus aviator |
| 体長 | 7.9cm~10.8cm |
| 体重 | 31g~59g |
| 生息域 | 日本、朝鮮半島、中国 |
ヤマコウモリは絶滅危惧種に指定されています。
ヤマコウモリの生態
ヤマコウモリは4月~10月にかけて活発に活動し、冬は樹洞や鉄道の高架下などで冬眠します。
活動が盛んな時期は一日で数kmから十数kmの距離を飛行し、蛾やハエ、カゲロウなど飛翔昆虫を捕食します。
ヤマコウモリの特徴
日本に生息するココウモリの中で最も大きく、翼を広げると40cmほどにもなります。
丸みのある耳、キノコのような耳珠、ずんぐりとした体形が特徴です。
ヤマコウモリが好む環境
大きな木にできた樹洞をねぐらとすることが多いといわれており、自然豊かな環境を好みます。
時には神社や公園で発見されることもあります。
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クビワコウモリ

クビワコウモリの基本情報
| 和名 | クビワコウモリ |
| 分類 | ヒナコウモリ科 |
| 学名 | Eptesicus japonensis |
| 体長 | 5.4㎝~6.8㎝ |
| 体重 | 8〜13g |
| 生息域 | 日本の本州のみ |
クビワコウモリは絶滅危惧種に指定されています。
クビワコウモリの生態
クビワコウモリは日本固有種であり、本州の福島県、長野県など11都県でのみ発見されています。
クビワコウモリの特徴
耳の後ろから胸のあたりにかけては琥珀色の毛が生えており、角度によっては首輪のように見えることが、名前の由来となっています。
クビワコウモリが好む環境
主に山間部に生息し、木々の生い茂った環境を好みます。
農作物に被害を与える害虫を多く食べることから、益獣として扱われています。
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チチブコウモリ

チチブコウモリの基本情報
| 和名 | チチブコウモリ |
| 分類 | ヒナコウモリ科チチブコウモリ属 |
| 学名 | Barbastella pacifica Kruskop |
| 体長 | 5.1㎝~6.1㎝ |
| 体重 | 8〜15g |
| 生息域 | 北海道、本州、四国 |
チチブコウモリは絶滅危惧種・準絶滅危惧種に指定されています。
チチブコウモリの生態
日本で初めてチチブコウモリが発見されたのが埼玉県秩父地方だったため、本種にそのまま命名されました。
ただし、秩父にだけ生息しているのではなく、北海道から本州、四国とさまざまな地域で生息しており、春から秋にかけて活発に活動します。
チチブコウモリの特徴
やわらかく長い体毛をもち、グレーから少し黒っぽい見た目をしているのが特徴です。
比較的大きい耳は三角形のような形と、個性的な顔立ちをしています。
チチブコウモリが好む環境
山間部や森林、河川沿いなど、自然環境が豊かな環境を好み、
日中は木のすき間に身を潜め、水辺に集まった昆虫を捕食するといわれています。
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ニホンウサギコウモリ

ニホンウサギコウモリの基本情報
| 和名 | 二ホンウサギコウモリ |
| 分類 | ヒナコウモリ科ウサギコウモリ属 |
| 学名 | Plecotus sacrimontis |
| 体長 | 4〜6cm |
| 体重 | 5〜10g |
| 生息域 | 北海道、本州、四国 |
ニホンウサギコウモリは絶滅危惧種に指定されています。
ニホンウサギコウモリの生態
ニホンウサギコウモリは4月頃から10月頃まで活動し、11月から3月頃までは冬眠します。
夜行性で、アリやカゲロウ、コガネムシなどの飛翔昆虫を好んで食べるといわれています。
ニホンウサギコウモリの特徴
体長の半分近くある大きな耳が特徴で、この耳は飛行中は折りたたむことができ、休んでいるときは後ろに倒すこともあります。
ニホンウサギコウモリが好む環境
森林を生息域とし、特に落葉樹林を好む傾向があり、岩手県の遠野市周辺や岐阜県の飛騨地方などで観測されています。
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テングコウモリ

テングコウモリの基本情報
| 和名 | テングコウモリ |
| 分類 | ヒナコウモリ科テングコウモリ属 |
| 学名 | Murina hilgendorfi |
| 体長 | 4.6㎝~7.0㎝ |
| 体重 | 8〜20g |
| 生息域 | 日本、ロシア、モンゴル、朝鮮半島、中国、カザフスタンなどユーラシア大陸の広域 |
テングコウモリは絶滅危惧種・準絶滅危惧種に指定されています。
テングコウモリの生態
テングコウモリは日本国内では北海道から九州まで広域に生息しており、出産や子育てのために安全な場所を求めて移動するといわれています。
テングコウモリの特徴
名前の由来となったテングのように筒状に突き出した鼻と、耳は丸みを帯びており、前足の親指が大きいのが特徴です。
テングコウモリが好む環境
枯草や木の葉の裏、樹洞、人工建物、橋梁の下といったさまざまな場所をねぐらとし、森林や湖、川など虫が集まりやすい環境を好みます。
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コテングコウモリ

コテングコウモリの基本情報
| 和名 | コテングコウモリ |
| 分類 | ヒナコウモリ科テングコウモリ属 |
| 学名 | Rhinolophus ferrumequinum nippon |
| 体長 | 3,8㎝~5㎝ |
| 体重 | 4~9g |
| 生息域 | ロシア、中国、朝鮮半島、日本などユーラシア大陸の広域 |
コテングコウモリは絶滅危惧種に指定されています。
コテングコウモリの生態
コテングコウモリは4月頃から10月頃まで活動し、11月から3月頃までは冬眠します。
エコロケーションを用いて空間把握やコミュニケーションをとり、ユスリカやヨコバイなどの小型昆虫を好んで食べます。
コテングコウモリの特徴
テングのように突き出た鼻と小ぶりなサイズが特徴です。
体毛は柔らかく、明るい茶色から白っぽい色味をしています。
コテングコウモリが好む環境
樹林の穴や樹皮のすきま、落ち葉の下などを好み、日本では自然の多い森林地帯で発見されています。
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モモジロコウモリ

モモジロコウモリの基本情報
| 和名 | モモジロコウモリ |
| 分類 | ヒナコウモリ科ホオヒゲコウモリ属 |
| 学名 | Myotis macrodactylus |
| 体長 | 4.0㎝~6.3㎝ |
| 体重 | 5〜11g |
| 生息域 | 日本、朝鮮半島、ロシアなどユーラシア大陸の広域 |
モモジロコウモリは絶滅危惧種・準絶滅危惧種に指定されています。
モモジロコウモリの生態
モモジロコウモリは他のココウモリと同様に、春から秋にかけて活発に活動し、寒くなると冬眠します。
季節問わず、ニホンキクガシラコウモリやコキクガシラコウモリ、ユビナガコウモリ、テングコウモリなど異なる種とコロニーを作り、出産哺育することがあるといわれています。
モモジロコウモリの特徴
白銀色のような毛が特徴で、後ろ足が大きく、側膜がかかとやすねの下までつながっています。
モモジロコウモリが好む環境
自然洞窟や廃坑、防空壕や地下水路、橋梁の下といった場所をねぐらとして利用しています。
人工物であっても居心地の良い環境であれば好んで巣をつくるようです。
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カグヤコウモリ

カグヤコウモリの基本情報
| 和名 | カグヤコウモリ |
| 分類 | ヒナコウモリ科ホオヒゲコウモリ属 |
| 学名 | Myotis longicaudatus |
| 体長 | 4.6~5.7㎝ |
| 体重 | 6〜11g |
| 生息域 | 日本、ロシア、中国、朝鮮半島などユーラシア大陸の広域 |
カグヤコウモリは絶滅危惧種・準絶滅危惧種に指定されています。
カグヤコウモリの生態
日本国内では北海道から滋賀県までの地域で発見されており、ココウモリの中でも寒い地方を好む珍しい種です。
活動時期は4月から10月まで、11月から3月は冬眠して過ごします。
カグヤコウモリの特徴
ふわっとした黒っぽい毛と短い耳が特徴で、サイズは小さめです。
後ろ足の指の付け根まで飛膜がつながっています。
カグヤコウモリが好む環境
寒冷な環境は、他のコウモリがあまりおらず捕食が安定していることから、日本国内でも寒い地方に生息しているようです。
大きな木のすき間や洞窟など暗くてジメジメした環境を好みます。
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カグラコウモリ科
日本ではカグラコウモリの一種のみが確認されていて、鼻葉(びよう)が四角っぽいのが特徴です。
カグラコウモリ

カグラコウモリの基本情報
| 和名 | カグラコウモリ |
| 分類 | カグラコウモリ科カグラコウモリ属 |
| 学名 | Hipposidereros turpis |
| 体長 | 5~7cm |
| 体重 | 20~32g |
| 生息域 | 石垣島、西表島、波照間島、与那国島 |
カグラコウモリは絶滅危惧種に指定されています。
カグラコウモリの生態
カグラコウモリは主に4~10月にかけて活動し、6月頃に出産期を迎え12月から洞窟で冬眠をします。
夜行性で蛾やセミ、アブなどを捕食するといわれています。
カグラコウモリの特徴
鼻の部分が神楽の面のようにひだ状に広がっており、名前の由来になっています。
体毛は長く黄褐色で、耳は大きく先が尖り左右に離れているのも特徴です。
カグラコウモリが好む環境
日本に生息するココウモリの中では珍しく熱帯を好み、洞窟を主な住処としています。
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キクガシラコウモリ科
鼻葉(びよう)が菊の花に似た形状をしていることから、キクガシラと名付けられました。
ココウモリの中では大きめの体格をしています。
二ホンキクガシラコウモリ

二ホンキクガシラコウモリの基本情報
| 和名 | 二ホンキクガシラコウモリ |
| 分類 | キクガシラコウモリ科キクガシラコウモリ属 |
| 学名 | Rhinolophus ferrumequinum nippon |
| 体長 | 6~8cm |
| 体重 | 17~35g |
| 生息域 | 日本、朝鮮半島、中国東北部 |
二ホンキクガシラコウモリは準絶滅危惧種に指定されています。
二ホンキクガシラコウモリの生態
二ホンキクガシラコウモリは春から秋が活動期で、寒くなると冬眠します。
夜行性で、単独で飛翔しながら昆虫などを捕食し、昼間は洞穴やトンネルなどの暗い場所で休息するといわれています。
二ホンキクガシラコウモリの特徴
鼻葉の一部がひろがって菊の花のような形状が特徴で、キクガシラコウモリの名前の由来になっています。
鼻葉から超音波を発し、周囲を把握するエコロケーションに重要な役割を担っています。
二ホンキクガシラコウモリが好む環境
二ホンキクガシラコウモリは、洞窟や海食洞、石灰岩洞窟、廃坑、トンネル、防空壕、溶岩洞窟、石切場跡など、1年の生活サイクルを通じて、多様な休息場所を利用します。
体温調節や体内水分を維持するため、冬眠時期は高温多湿な環境を選ぶといわれています。
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オヒキコウモリ科
尾が尾膜から突出していて、
頭の上に耳がある見た目をしています。
オヒキコウモリ

オヒキコウモリの基本情報
| 和名 | オヒキコウモリ |
| 分類 | オヒキコウモリ科オヒキコウモリ属 |
| 学名 | Tadarida insignis |
| 体長 | 8.4㎝~9.4㎝ |
| 体重 | 27~45g |
| 生息域 | 日本、中国、台湾、朝鮮半島、ロシア極東部などユーラシア大陸の広域 |
オヒキコウモリは準絶滅危惧種に指定されています。
オヒキコウモリの生態
オヒキコウモリの活動時期の特徴として、季節ごとに移動する点が挙げられます。
春と秋には出産哺育場所と越冬地の間を移動し、出産期は7月上旬頃、出産哺育期や越冬期になると、数十頭の集団を形成し、11月下旬には冬眠に向けて体重がピークに達します。
オヒキコウモリの特徴
オヒキコウモリは、平たい頭と大きく丸みを帯びた耳が前基部で結合しています。
尾は尾膜から半分以上つき出ており、移動時のバランス調整に活かしている点が特徴で、翼は狭長型で黒褐色の体毛が生えており、個体によっては背面に先端が白っぽい毛が点在しています。
オヒキコウモリが好む環境
海岸や無人島などの断崖急斜面の乾燥した岩盤の狭い割れ目や、鉄筋コンクリートの継ぎ目にある隙間などがおもなねぐらとされています。
実際に、校舎や鉄道高架橋の継ぎ目で発見されており、人間の住まいに近い場所での観察も可能です。
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ユビナガコウモリ科
体毛が全体的に短く、耳が小さいのが特徴で、冬を越す際は数千から数万のコロニーを形成することがあります。
ユビナガコウモリ

ユビナガコウモリは準絶滅危惧種に指定されています。
ユビナガコウモリの基本情報
| 和名 | ユビナガコウモリ |
| 分類 | ユビナガコウモリ科ユビナガコウモリ属 |
| 学名 | Miniopterus fuliginosus |
| 体長 | 4.9㎝~7㎝ |
| 体重 | 10~18g |
| 生息域 | 本州、四国、九州 |
ユビナガコウモリの生態
ユビナガコウモリは小さな身体に似合わず大食漢のコウモリで、ユスリカなどの小さな虫を一晩で数百匹、重さ4gほど食べるといわれています。
春から秋が活動期で、寒くなる11月ごろから冬眠をします。
ユビナガコウモリの特徴
細長い翼には特に長い第3指(中指)があることから名づけられました。
体毛は短く、光沢のあるこげ茶色をしており、丸い耳は小さいのも特徴的です。
ユビナガコウモリが好む環境
丘陵地や洞穴、廃坑など、ひんやりとした暗い場所を好み、数千から数万頭もの集団を形成して過ごします。
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ユビナガコウモリ(学名:Miniopterus fuliginosus )は、 生息地の洞窟の減少や環境の悪化により、絶滅危惧種に指定されているコウモリです。 ここでは、ユビナガコウモリの特徴や生態な ...
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オオコウモリ科
日本では2種のオオコウモリが発見されていて、身体が大きく、沖縄周辺や小笠原諸島など暖かい地域にのみ生息しています。
オガサワラオオコウモリ

オガサワラオオコウモリの基本情報
| 和名 | オガサワラオオコウモリ |
| 分類 | オオコウモリ科オオコウモリ属 |
| 学名 | Pteropus pselaphon |
| 体長 | 20~25cm |
| 体重 | 400~600g |
| 生息域 | 小笠原諸島に生息している固有種 |
オガサワラオオコウモリは絶滅危惧種に指定されています。
オガサワラオオコウモリの生態
オガサワラオオコウモリは冬眠をせず年間を通じて活動しますが、果実が豊富な6~8月に活発になります。
夜行性で、ヤシ類などの葉、ガジュマル、グアバ、タコノキ、バナナなどの果実や花の蜜を主食としています。
オガサワラオオコウモリの特徴
体長約20~25cmで、翼を広げた際の幅は最大80cmまで達し、滑るように飛ぶのが得意で、飛行中は比較的ゆったりとした動きをしながら果実のある木々を探します。
黒色と茶色の長い毛で覆われていて、頭部や背中、腹部には光沢のある灰白色が混ざっています。
大きな目と短い鼻でキツネのような顔立ちをしています。
オガサワラオオコウモリが好む環境
樹木の生い茂った環境で、温暖かつ湿度の高い気候を好みます。
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クビワオオコウモリ

クビワオオコウモリの基本情報
| 和名 | クビワオオコウモリ |
| 分類 | オオコウモリ科オオコウモリ属 |
| 学名 | Pteropus dasymallus |
| 体長 | 17.5㎝~23.0㎝ |
| 体重 | 31.8~66.2g |
| 生息域 | 九州南部からフィリピン北部の島々 |
クビワオオコウモリは絶滅危惧種に指定されています。
クビワオオコウモリの生態
温暖な地域に生息しているため、冬眠はせず一年を通して活動します。
ほかのコウモリと同様に夜行性で、果物を主食とし、さまざまな種子を撒布しているといわれています。
クビワオオコウモリの特徴
全身を黒褐色から茶褐色の長くやわらかい毛で覆っており、首の部分には名前の由来にもなっている首輪上の模様がついているのが特徴です。
首輪はオスは黄色から橙色、メスは白色の模様になり、胸部から腹部にかけて白色を帯びる個体もいます。
クビワオオコウモリが好む環境
奄美諸島や沖縄諸島など温暖な環境を好み、森林の中でも比較的高い樹木をねぐらとしています。
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鳥獣保護管理法におけるコウモリの扱い

鳥獣保護法(正式名称:鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)は、日本国内の野生動物を保護し、その適切な管理を目的として制定された法律です。
この法律では、鳥類および哺乳類に分類される野生動物を対象としており、捕獲や殺傷といった行為が厳しく制限されています。
特に絶滅危惧種を守るために重要な役割を果たしており、違反者には法律に基づいて罰則が適用されます。
鳥獣保護法に違反した場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられることがあります。
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ペットに適しているコウモリ
前述した日本在来のコウモリは鳥獣保護管理法によって保護されていて、飼育は禁止されています。
そこで、ペットとして適しているコウモリを2種紹介します。
エジプシャンルーセットオオコウモリ

エジプシャンルーセットオオコウモリの基本情報
| 和名 | エジプトルーセットオオコウモリ |
| 分類 | オオコウモリ科ルーセットオオコウモリ属 |
| 学名 | Rousettus aegyptiacus |
| 体長 | 13~18cm |
| 体重 | 80~170g |
| 生息域 | アフリカ北部、中東、南アジア |
エジプシャンルーセットオオコウモリの生態
エジプシャンルーセットオオコウモリは、季節によって活動範囲や頻度が変化しますが、基本的に1年中活動を行います。
一日の中では、夕方の日没直後から活動を始め、最も活発な時間は20時から深夜2時です。
エジプシャンルーセットオオコウモリの特徴
大きな黒目を持ち、狐のような尖った顔つきをしています。
糞の見た目は、小さな丸みを帯びたペレット状の黒色や濃い茶色で1~2cm程度のサイズです。
エジプシャンルーセットオオコウモリが好む環境
日中は岩場や建物の隙間など暗くて安全で、気温は比較的温暖な15~30℃、湿度は50~80%の環境を好み、乾燥や寒さには弱い特徴があります。
日本国内では、果実が豊富になる夏の6~8月に活発に活動し、亜熱帯地域の沖縄県や奄美諸島などの湿度が高く熱帯果樹のバナナやパパイヤなどが豊富にある地域が適しています。
デマレルーセットオオコウモリ

デマレルーセットオオコウモリの基本情報
| 和名 | デマレルーセットオオコウモリ |
| 分類 | オオコウモリ科ルーセットオオコウモリ属 |
| 学名 | Rousettus leschenaulti |
| 体長 | 13~15cm |
| 体重 | 80~140g |
| 生息域 | マダガスカル島 |
デマレルーセットオオコウモリの生態
デマレルーセットオオコウモリはマダガスカル固有の果実食性で、主に熱帯の森林や沿岸部で暮らす夜行性、超音波エコーロケーションを使用できる珍しいオオコウモリです。
気温が低い時期でも活動量を少し抑える程度で、冬眠はせず1年中活動します。
デマレルーセットオオコウモリの特徴
見た目の特徴はスリムな顔立ちで、やや細長い鼻先をしています。
また、糞は黒色や濃い茶色の小さなペレット状ですが、楕円形や細長い形を持つ個体もあります。
デマレルーセットオオコウモリが好む環境
マダガスカルの洞窟、森林、岩場、都市周辺などで生活しているため、薄暗く落ち着いた環境を好みます。
年間を通じて温暖な20〜30℃、乾燥に弱く、高湿度の50〜80%が適しています。
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身近なアブラコウモリによる4つの被害

ここまで日本に生息するコウモリやペットに適した種を紹介してきましたが、人の生活に密接に関わっているのがアブラコウモリです。
住居の屋根裏やビルの隙間などに棲みつくことが多く、糞害や騒音、健康被害を引き起こします。
ここでは代表的な被害を4つご紹介します。
4つの被害
- 糞尿が引き起こす悪臭
- 羽音や鳴き声による騒音
- 病原菌やダニ・ノミによる健康被害
- 屋根や壁の劣化
1.糞尿が引き起こす悪臭
アブラコウモリが建物に棲みつくと、糞尿の蓄積による悪臭が発生します。
屋根裏や壁の隙間に長期間留まると、臭いが染みつき、簡単には取り除けなくなります。
糞尿が湿気を含むと発酵し、アンモニア臭が強くなり、臭いが建材に浸透すると換気を行っても消えにくく生活環境に影響を及ぼすようになります。
定期的な点検と清掃を欠かさず、コウモリが棲みつく前に適切な対策をすることが重要です。
2.羽音や鳴き声による騒音
アブラコウモリは夜行性のため、夜間に活発に動き回ります。
屋根裏や壁の内部に生息している場合、飛び立つ際の羽音や、仲間同士のコミュニケーションとして発する鳴き声が騒音となり、住人の睡眠を妨げることがあります。
大量に棲みつくと音の頻度や大きさも増し、ストレスの要因となります。
放置するとさらに個体数が増え、騒音被害が深刻化するため、早めの対応が必要です。
3.病原菌やダニ・ノミによる健康被害
アブラコウモリやアブラコウモリの糞尿に触れると、病原菌によって健康被害につながるリスクがあります。
糞が乾燥して粉塵化し空気中に拡散すると、ヒストプラズマ症などの感染症を引き起こすこともあり、免疫力の低い方や高齢者にとっては深刻な問題となります。
また、コウモリに寄生するダニやノミが人間に寄生すると、アレルギーや皮膚炎が生じます。
4.屋根や壁の劣化
アブラコウモリの糞尿は建物の損傷を引き起こす原因になります。
木材や断熱材に浸透すると腐敗により耐久性を低下させる恐れがあり、長期間放置するとカビが発生することで建材の劣化を早めてしまいます。
コウモリの被害を防ぐためには、棲みつく前に対策を行い、定期的な点検も欠かさないことが重要です。
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コウモリを見つけたときのNG行為
コウモリを見つけたときは、知識がないままに対応をするのは危険です。
NG行為
- 素手で触らない
- 天井裏などをのぞき込まない
- 捕まえない
- 道具で追い出さない
- 騒いだり大声を出したりしない
- 急に光を当てない
- 殺虫剤や殺鼠剤を使用しない
素手で触らない
コウモリには病原菌や寄生虫が付着している可能性が非常に高く、感染症を引き起こす場合があります。
特にヒストプラズマ症などの感染症にかかると発熱や咳、倦怠感といった症状に発展し、免疫が低い人は重症化の危険性もあります。
絶対に素手で触らないよう注意が必要です。
天井裏などをのぞき込まない
天井裏や狭い空間に潜んでいるコウモリに近づくと、驚かせてしまったり、糞尿による健康被害を受ける可能性があります。
感染症やアレルギー反応を引き起こす場合もあるため、安易にのぞき込んではいけません。
捕まえない
コウモリを捕まえる行為は鳥獣保護法に違反する重大な行為です。
無許可でのコウモリの捕獲は鳥獣保護法違反となり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されるため、絶対に避けましょう。
道具で追い出さない
ほうきや洗濯用の吊り竿などの硬い道具を使ってコウモリを追い出そうとすると、コウモリを傷つけてしまう可能性があります。
道具を使うこと自体は有効な時もありますが、傷つけてしまうと鳥獣保護法違反に該当して処罰の対象となります。
騒いだり大声を出したりしない
大きな音や騒音は、コウモリがパニックになり予期せぬ行動をとることがあります。
コウモリが「飛び回って壁や天井に激突する」「人に向かって飛んでくる」などで、怪我をしたり、感染症にかかる恐れがあるため、適切な対応が求められます。
急に光を当てない
コウモリの多くは夜行性で、急激な光に敏感です。
光に驚いたコウモリが暴れたり逃げ回ったりすることで、怪我や二次被害が発生する恐れもあります。
ただし、正しい方法で光を使用すれば、コウモリを追い出す手段として有効です。
例えば、柔らかい光を用いればコウモリを窓の方に誘導できます。
光を使用する際は、急に光を当てず周囲への影響やコウモリの反応を考慮しつつ、慎重に対応してください。
殺虫剤や殺鼠剤を使用しない
殺虫剤や殺鼠剤は、コウモリにとって有害であり、
場合によってはコウモリに致命的なダメージを与えてしまいます。
これらの薬剤を不適切に使用すると、環境汚染や他の生物への悪影響も懸念されます。
コウモリ対策は適切な知識を身につけ、正しい道具を用いることが重要です。
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コウモリ駆除はプロに頼む方が安心
家に棲みつくアブラコウモリは、人目につきづらい雨戸や屋根裏、通気口などに棲みつくことが多く、無理に自分で追い出そうとすると、ケガや感染症のリスクがあるほか、鳥獣保護法に触れる可能性もあります。
特に2階以上は高所での作業となり危険を伴うため、落下などの事故につながる可能性がある時や、不安なときはコウモリ専門の駆除業者に依頼するのが安心です。
害獣お助け本舗はコウモリをはじめとした害獣駆除を専門としたプロを紹介しています。
コウモリが棲みついているかも、と思ったら一度問い合わせしてみてください。
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