コウモリが嫌う天敵の存在を活用すれば、効果的な駆除につながると考える方もいるかもしれません。
しかし、実際は天敵の特性を活用して期待できるのは、コウモリ避けのみと限定的です。
本記事では、コウモリの代表的な天敵や活用方法、家にコウモリが棲みついてしまった際の追い出し方法や、コウモリ駆除業者の選び方、費用相場も紹介します。
コウモリ被害にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
このような方におすすめ
- コウモリ被害に悩まされており、効果的な追い出しをしたい方
- 天敵を活用したコウモリ避けの方法を探している方
- 自宅でできるコウモリ対策を試してみたい方
- 専門業者の選び方や費用の目安を知りたい方
コウモリの天敵とはどんな動物?
コウモリの天敵は鳥類、哺乳類、爬虫類において6種存在します。
それぞれの特徴と、コウモリが天敵から身を守るための行動について知っておきましょう。
鳥類のコウモリの天敵
鳥類ではカラスや、猛禽類に分類されるフクロウ、タカがコウモリの天敵とされています。
鳥類の天敵
- カラス
- フクロウ
- タカ
- カラス
フクロウ
フクロウはコウモリと同じく夜行性の動物であるため狙われることが多く、最大の天敵とされています。
飛行速度が速く、暗闇でも獲物を正確に捕える優れた夜間視力と聴覚を持っているため、フクロウに狙われると逃げ切るのは困難です。
タカ
フクロウと同じく猛禽類に分類されるタカも、コウモリの天敵です。
鋭い視力と高い飛行能力を持ち、捕食能力にも優れています。
ただし、主な活動時間は日中なので、フクロウに比べると脅威は少ないです。
カラス
知能が高く、食べ物を探す能力に長けているカラスは、エサとなるコウモリを見つける力も優れています。
都市部ではカラスが増加しており、民家に棲みつくコウモリにとっては脅威です。
タカ同様、日中に活動する動物のため、フクロウほどの天敵とはいえないでしょう。
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哺乳類のコウモリの天敵
コウモリにとって哺乳類であるイタチやネコも天敵であり、休息中や低空飛行時の脅威となります。
哺乳類の天敵
- イタチ
- ネコ
イタチ
肉食哺乳類であるイタチは、コウモリが地上付近に現れた際にエサとして捕食します。
優れた運動能力を持っているため、素早い動きで襲いかかるのが特徴です。
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ネコ
ネコもコウモリにとって脅威となる哺乳類です。
俊敏な動きを活かし、地上に降りたタイミングや、巣に戻った時を狙って襲います。
爬虫類のコウモリの天敵
爬虫類ではヘビがコウモリの天敵とされており、小さな隙間からでもコウモリの棲み処に侵入します。
爬虫類の天敵
- ヘビ
ヘビ
細い身体を活かし、わずかな隙間や穴に侵入できるヘビはコウモリにとって厄介な存在です。
木の穴や建物の隙間、洞窟といった見つかりづらい場所でも、ヘビは安易に侵入できるため襲われることがあります。
休息時を狙って捕食することもあり、コウモリにとっては脅威といえるでしょう。
コウモリは天敵から身を守るために高い場所に棲みつく
コウモリは、天敵から身を守るために高い場所に棲みつきます。
イタチやネコ、ヘビといった哺乳類や爬虫類が物理的に届かない場所にぶら下がることで、天敵との遭遇を減らしているのです。
建物の軒下や橋梁の下など、屋根がある場所に棲みつくことで、飛行する鳥類からの攻撃を防ぎます。
複雑な構造物の隙間を好むコウモリは、大型の哺乳類や鳥類が侵入しづらく、天敵から身を守るために棲み処を選んでいるといえます。
コウモリ最大の天敵はフクロウ
コウモリにとって最大の天敵はフクロウです。
フクロウは身体能力や飛行技術に優れているほか、同じ夜行性のため遭遇率が高く、コウモリにとっては厄介な存在といえるでしょう。
コウモリ最大の天敵はフクロウ
- フクロウはコウモリよりも高い能力を持つ
- フクロウもコウモリも夜行性の動物
- フクロウがコウモリを食べる理由
フクロウはコウモリよりも高い能力を持つ
フクロウはあらゆる面でコウモリを上回る能力を持っています。
フクロウの狩猟能力は非常に高く、鋭い視力と強力な爪を使って空中の捕食を可能にします。
体格も大きく異なり、体長4~10cmのコウモリに対し、フクロウは約30~50cmのサイズがあります。
飛行スピードもコウモリより優れているため、一度見つかれば逃げ切るのは困難です。
フクロウもコウモリも夜行性の動物
フクロウが夜行性である点も、コウモリにとって脅威となります。
コウモリがエサを求めて活発に飛び回る夜間はフクロウの活動時間でもあるため、ほかの天敵よりも遭遇する可能性が高くなります。
また、フクロウは高い飛行能力と、暗闇でも正確に獲物を捕える夜間視力や優れた聴覚を持っています。
エコーロケーション(反響定位)を使って夜間でも正確に物の大きさや距離感を測れるコウモリが相手でも、正確に視認して素早く捕獲することが可能です。
フクロウがコウモリを食べる理由
フクロウがコウモリを食べるのは、捕獲しやすく食糧としての価値が高いからです。
肉食性のフクロウは小動物や昆虫などさまざまな獲物を捕食する一方、容易に捕まえられるコウモリもエサの対象となります。
空腹時に手軽に捕獲できるコウモリは、フクロウにとって貴重なエネルギー源であり、食糧として高い価値があるのです。
コウモリ対策の前に把握しておくこと
コウモリの生態や天敵を活用した対策方法にはどのような効果があるのでしょうか。
正しい方法でコウモリ対策をしましょう。
コウモリ駆除とは追い出し
コウモリ駆除とは、家屋に棲みついたコウモリを法的に問題のない方法で追い出し、再発を防止する作業のことです。
日本に生息するコウモリは鳥獣保護管理法によって保護されており、許可なく捕獲や殺処分を行うことは禁止されています。
忌避剤や物理的な遮断などで、生きたままコウモリを追い出しをする必要があります。
ネズミや害虫などのように、トラップをしかけて殺処分することはできません。
家に棲みつくのは主にアブラコウモリ
日本の住宅に棲みつくのは、アブラコウモリ(別名:イエコウモリ)という種類がほとんどです。
体長は4~6cmほどで、1~2cmあれば外壁のひび割れや換気口、瓦の隙間などさまざまな場所から侵入してきます。
コウモリの糞尿は、主食とする昆虫類の残骸が混ざり、時間の経過とともに家中に強いアンモニア臭を漂わせます。
アブラコウモリは帰巣本能が強く、一度追い出された場所であっても戻ってくることが多い動物です。
万が一棲みつかれてしまったら、追い出しや侵入経路の封鎖などの対策が必要です。
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コウモリの巣は鳥の巣のような見た目ではない
コウモリは鳥のように枝や草を用いて巣を作るわけではありません。
天井裏や屋根の隙間、通気口などの暗く狭い空間に直接身を寄せ、長期間そこに留まることで糞尿や体毛が積み重なり、巣のような状態を形成します。
コウモリの巣は、屋根裏や排気口といった目が届きにくい場所に作られることが多いため、注意深く探さなければ見つけるのは困難です。
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天敵活用はあくまでコウモリ避けにすぎない
コウモリの天敵を活用した対策は、予防としての忌避効果に留まり、追い出しは期待できません。
建物内に棲みついているコウモリは、忌避剤による追い出しと、侵入経路の封鎖が不可欠です。
追い出しが完了した後や棲みつく前に天敵を活用することで、再発防止やコウモリ避けにつながります。
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天敵を活用したコウモリ対策
コウモリの天敵を活用した対策方法について解説します。
コウモリに「ここは危険な環境だ」と思わせる方法や、実際に効果があるのかどうかチェックしてみましょう。
天敵を活用したコウモリ対策
- 鳴き声を流す
- 天敵のニオイを使う
- フクロウの置物を設置する
- 天敵を用いた対策の効果は期待できる?
鳴き声を流す
フクロウやタカの鳴き声を流すことで、コウモリに危険な場所と認識させる方法です。
YouTube動画やCD音源をタイマー付き機材で流します。
ただし、毎回同じ音源やタイミングで流すと徐々に音に慣れてしまい、得られる効果は少なくなります。
複数種類の鳴き声を組み合わせたり、不規則な間隔で流したりすると良いでしょう。
天敵のニオイを使う
天敵の尿のニオイを活用してコウモリを寄せ付けないようにする方法です。
イタチ類であるフィッシャーの天然尿を使ったアニマルピーという忌避剤を活用します。
専用容器に約50グラムのアニマルピーを入れて、天井裏や倉庫といったコウモリが棲みつきやすい場所に設置して準備完了です。
天敵の尿を本能的に避けるコウモリの習性を活かした対策で、有害な物質も使っていないため環境にも優しい方法です。
フクロウの置物を設置する
フクロウの姿をした置物を設置する方法です。
屋根裏やベランダ、換気口付近などコウモリの侵入経路や糞尿が確認される場所に設置します。
しかし、コウモリの視力はほとんどなく、天敵かどうかは音やニオイで判別します。
効果は期待できないため、優先度は低めです。
天敵を用いた対策の効果は期待できる?
天敵を活用した対策は一定の効果があり、コウモリに強い警戒心を与えます。
しかし、コウモリは環境への順応性が高いため、紹介した方法のみで長期間持続した効果を得ることは難しいです。
そのため、嫌がるニオイや苦手な光を活用したコウモリを寄せ付けない環境づくりが推奨されています。
コウモリ対策で重要なのは嫌がる環境を作ること
コウモリは、鼻がツンとするようなハッカやハーブのニオイや明るい場所を嫌います。
その特性を活かし、コウモリを寄せ付けない環境を作るようにしましょう。
忌避剤を使ったニオイ対策
コウモリが嫌うニオイを発し、嫌がる環境づくりが期待できるのが忌避剤です。
市販の忌避剤は、コウモリが嫌うハッカ臭を含んでいます。
ただし、忌避剤のニオイは不快に感じる人もいるため、同居人や近隣住民に確認をとってから使用するのが良いです。
忌避剤の使い方
忌避剤本体のアルミシートをはがし、ベランダや軒下、倉庫といったコウモリが棲みつきやすい場所に設置します。
忌避剤は小袋に入っており、取り出せば狭い隙間にも設置可能です。
効果は約2ヶ月間持続します。
ハーブなどの栽培
自然な香りで対策をしたい場合は、コウモリが苦手なニオイを発するハーブを植える方法が適しています。
芳香による虫除け効果や、家の周りをさわやかな香りで包んでくれるのもハーブのメリットです。
一方、即効性は低く、効果を実感するまでには時間がかかるため、忌避剤との併用が有効です。
ハーブの栽培方法
ハーブは鉢植えで栽培します。
簡単に移動ができる上に、日当たりや風通しの調整がしやすく移動も簡単です。
地植えをすると地中に根を広げて繁殖しすぎてしまうため、おすすめできません。
水やりは土の表面が乾いたタイミングで行い、2~3週間に一度のペースで剪定を行いましょう。
1日5時間以上の日光が当たる場所に置くと育ちやすいため、ベランダや庭先などが最適です。
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LEDライトの設置
コウモリは明るい場所を避ける習性があるため、LEDライトを設置することで棲みつきにくい環境を作れます。
LEDライトであれば、虫が寄ってくる心配もありません。
ただし、強い光が近隣住民に不快感を与える恐れがあります。
使用する際は、周辺住民に事前に共有しておくと安心です。
LEDライトの使い方
換気口、軒下、ベランダの天井付近といった侵入経路になりやすい場所を照らすように設置します。
照射範囲が狭かったり光が外向きすぎたりすると、目的の個所に十分な光が当たらないため、満足のいく効果が得られません。
光は斜め下から下方向に向けるのが理想で、侵入の起点になりやすい場所を広めに照らすようにしましょう。
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超音波装置の設置
コウモリは超音波を使って飛行や餌探しをするため、超音波装置を設置するのも有効です。
スマートフォンで利用できる超音波アプリや、専用の超音波装置を用いてコウモリを追い出します。
手軽に設置できる反面、効果には個体差があるため、他の対策と併用するのが良いです。
超音波アプリの使い方
超音波アプリはスマートフォンで利用できるため、コストをかけずに試してみたい方におすすめです。
App StoreやGoogle Playで「超音波」と検索して表示されたアプリをダウンロードし、準備は完了です。
40kHz〜60kHz程度の周波数を選択し、コウモリがいる場所に向けて再生してください。
手軽に使えるものの、スマートフォンスピーカーの出力は大きくないため、広範囲には届きにくい点やバッテリーの消耗が大きい点がデメリットです。
超音波装置の使い方
強力な音波を安定して発生させられる専用の超音波装置は、超音波アプリよりも効果が期待できます。
コウモリの侵入経路や棲み処付近に設置して使用してください。
コンセント式や電池式などの種類があるため、使用環境に合わせて選びましょう。
出力が強く、広範囲をカバーできるほか、自動で稼働するため管理の手間も省けます。
一方で、初期費用がかかり、同じ周波数を出し続けるとコウモリが慣れてしまう可能性があります。
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コウモリが家に棲みついている場合の駆除方法
ここまではコウモリを寄せつけない方法を紹介してきました。
ただし、コウモリが家に棲みついている場合は事前に駆除する必要があります。
以下の順番に沿って進めましょう。
コウモリの駆除方法
①棲みついている場所の確認
②駆除グッズの準備
③侵入経路の確認
④コウモリの追い出し
⑤糞尿掃除・消毒
⑥侵入経路の封鎖
①棲みついている場所の確認
コウモリが棲みついている場所を確認します。
軒下、通気口、エアコン周辺、シャッター、雨戸、ベランダといった場所でコウモリが棲みついていないかチェックしてみてください。
糞が落ちていたり、夜に羽音が聞こえる場所は重要な手がかりとなります。
コウモリは1cm程度の隙間があれば侵入できるため、少しの隙間でも棲みついている可能性があります。
屋根裏・床下は専門業者に任せた方が安心
コウモリが棲みつきやすい屋根裏や床下は、狭くて作業が難しいうえに点検口から内部を確認しなければなりません。
屋根裏は足場が不安定で転落の危険性があります。
床下も複雑な構造なので、素人では逃げ込んだコウモリを追い出すことは困難です。
少しでも不安な方は専門家に依頼するのが良いです。
②駆除グッズの準備
コウモリ駆除をおこなう際、感染症対策が必須です。
ゴム手袋、ゴーグル、防塵マスク、作業着で身を守りましょう。
駆除に必要な忌避剤や、追い出し後の清掃用具として消毒薬、雑巾、ハンディクリーナー、侵入経路は金網、パンチングメタル、コーキングなどを使用して塞ぎます。
暗所での作業に備えて、ヘッドライトも用意しておくと尚良いです。
③侵入経路の確認
コウモリが棲みついている場所の周辺を確認し、侵入経路がどこなのか把握してください。
外壁のひび割れや通気口の破損、軒下の継ぎ目、シャッターボックスや雨戸の戸袋など、糞や尿の跡、体毛、黒い汚れが残っていれば、侵入経路になっている可能性が高いでしょう。
建物の劣化によって新たに隙間が生じることもあるため、隅々まで点検してください。
コウモリの活動が活発になる夕方から夜間の確認がおすすめです。
④コウモリの追い出し
専用の忌避剤を使用して、コウモリを追い出します。
追い出しには忌避スプレーが有効です。
忌避スプレーの使い方
忌避スプレーにはコウモリが嫌うハッカ成分が含まれており、棲みついた場所に噴射することで追い出しが期待できます。
専用のノズルを使えば最大6m先まで届くため、雨戸の隙間やレールの奥といった狭い場所においても有効です。
天然成分を使用しているため人体への影響は少なく、強い刺激臭が苦手な方でも扱いやすいでしょう。
⑤糞尿掃除・消毒
コウモリの糞尿には病原菌やアレルギー原因物質が多く含まれ、健康被害や悪臭の原因となるため、徹底した掃除・消毒が必要です。
マスクと手袋、作業着を着用した上で行うようにしましょう。
空気中に舞い上がった糞を吸い込まないように、消毒液を含ませた雑巾を使ってふき取ってください。
作業後は手洗いやうがいをし、清掃に使用した道具や装備の処分をしてください。
⑥侵入経路の封鎖
駆除や清掃が完了した後に必要なのが、侵入経路の封鎖です。
コウモリは帰省本能が強い生き物で、同じ場所に戻ろうとする習性があります。
外壁のひび割れはシーリング材やパテ、通気口や換気口には金網やパンチングメタルなどを使い、隙間をしっかりと塞ぎます。
封鎖作業は、コウモリが完全にいなくなったことを確認した上で実施してください。
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コウモリが家に棲みついているときのNG行為
コウモリ駆除にはさまざまな危険が伴うため、自己流の対処は非常に危険です。
以下で紹介する行為は避けましょう。
コウモリが家に棲みついているときのNG行為
- 素手で触る
- 天井裏などをのぞき込む
- 捕まえる
- 道具で追い出す
素手で触る
コウモリの身体には、ヒストプラズマ症や狂犬病ウイルスといった病原菌が付着している場合があります。
素手で触れることで感染症にかかってしまう恐れも。
弱っていたり死んでいたりしていても感染の可能性があるので油断は禁物です。
万が一接触した際は、すぐに石鹸で手を洗い、速やかに医療機関に受診してください。
天井裏などをのぞき込む
コウモリが棲みつきやすい天井裏や換気口を不用意にのぞき込むと、驚いたコウモリが急に飛び出てくることがあります。
顔や目に接触して負傷する危険性があるほか、病原菌やウイルスに感染してしまうかもしれません。
また、糞尿に含まれるダニや細菌を吸い込むと、呼吸器感染症やアレルギーを発症する危険があるため、点検時は防護服やマスクを着用しましょう。
道具で追い出す
棒やほうきで無理に追い出そうとすると、コウモリを傷つけたり、飛び回った拍子に家具や電化製品を破損させたりする可能性があります。
狭い場所に逃げ込んでしまうと、かえって駆除が困難になることも。
興奮したコウモリは攻撃的になり、人に向かって飛んでくる場合もあり危険です。
怪我や二次被害を防ぐためにも、物理的な追い出しは避けましょう。
捕まえる
コウモリを許可なく捕獲することは鳥獣保護管理法で禁止されており、違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
捕まえようとして噛まれたり引っかかれたりすれば、病原菌やウイルスに感染する可能性もあるため注意が必要です。
捕獲は絶対に行わず、正しい手順で追い出しを行うか、専門業者へ相談してください。
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鳥獣保護管理法におけるコウモリの扱い
日本に生息するコウモリは、鳥獣保護管理法により保護されています。
許可なく捕獲や殺傷を行うと、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処される可能性があります。
被害が大きい、自力での対応が難しいときは、自治体や専門業者へ相談するのが安心です。
法律に則った方法で対応してくれるため、コウモリに直接触れることなく、安全かつ確実に駆除できます。
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コウモリを放置すると危険な理由
コウモリが棲みついた家は、放置することでさまざまな二次被害が生じやすくなります。
安心した暮らしを守るためにも、早めの対策が不可欠です。
コウモリを放置すると危険な理由
- 糞尿の悪臭が家中に広まるから
- 夜中に騒音被害が起こるから
- 病原菌やアレルギーなどの危険があるから
- 住宅が劣化する可能性があるから
糞尿の悪臭が家中に広まるから
コウモリの糞尿は強いアンモニア臭を放ち、蓄積すると悪臭が家全体に漂います。
エアコンや通気口の近くに棲みつかれると、室内にニオイが入り込むため、大きなストレスを抱えて生活することになりかねません。
柱や壁にニオイが染みつくと簡単には除去できず、修繕に多額の費用がかかることもあります。
夜中に騒音被害が起こるから
夜行性のコウモリは夜になると、「キーキー」という鳴き声や「バサバサ」という羽音を立てて活動を始めます。
屋根裏や軒下に棲みついていると音が反響し、室内まで響くこともあるでしょう。
騒音は睡眠を妨げるほか、数が増えると被害はさらに深刻化し、生活に大きな影響を及ぼします。
病原菌やアレルギーなどの危険があるから
コウモリの糞にはヒストプラズマ菌・サルモネラ菌・レプトスピラ菌といった危険な感染症が発見されています。
空気中に舞い上がる乾燥した糞を吸い込むと、感染症やアレルギーを発症し、発熱・咳・倦怠感・呼吸困難・腹痛・下痢といった症状に襲われる可能性があります。
乳幼児や高齢者、免疫力の弱い方がいる場合は、特に注意が必要です。
住宅が劣化する可能性があるから
コウモリが棲みついた場所は糞尿がたまり、建材の腐食や配線トラブルの原因になることも。
劣化した場所はシロアリやゴキブリなど害虫が発生し、被害が室内全体に広がることも考えられます。
住宅の構造部分にまで被害が及ぶと、大規模な修繕が必要となります。
コウモリ駆除は自分で?それとも専門業者に?
コウモリ駆除は自分で行うか専門業者に依頼するのが良いか迷うかもしれません。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、状況や環境に応じて最適な方法を見つけましょう。
自分で駆除するメリット・デメリット
自分で駆除する場合は、費用が抑えられる一方、さまざまなリスクを想定して動かなければなりません。
メリット
自分でコウモリ駆除を行う最大のメリットは費用を抑えられることです。
忌避剤や捕獲グッズはホームセンターやネットなどで手軽に購入でき、自宅のペースでコウモリ対策を進められます。
小規模の被害であれば、専門業者に頼らずとも駆除ができる可能性が高いです。
デメリット
屋根裏や狭い隙間、高所などの作業は難しく、怪我のリスクがあります。
知識が不足しているために誤った方法で追い出しが失敗し、かえって被害が拡大することも。
また、清掃や消毒を十分に行わないと健康被害のリスクが残ることも考慮する必要があります。
専門業者に依頼するメリット・デメリット
専門業者に依頼する場合は安全かつ適格なコウモリ駆除が期待できる一方、あらかじめ費用を計算しておかなければ想定以上の出費になる可能性があります。
メリット
専門業者に依頼する最大のメリットは、専門技術による適格な駆除と安全な作業です。
高所や複雑な侵入経路も短時間で対応可能で、糞尿の清掃や消毒までトータルでサポートしてもらえます。
コウモリに触れる必要がないため精神的にも安心です。
アフターフォローや再発防止策の提案を受けられる点も大きなメリットです。
デメリット
専門業者に依頼する場合、作業の規模や内容によっては数万円から十万円以上かかることも。
業者によって対応の質に差があり、満足できない結果になる可能性もあります。
見積もりや事前の契約内容の確認が重要です。
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コウモリ駆除業者の正しい選び方
コウモリの駆除業者を選ぶ際、実績や専門性、サービス内容などを総合的に判断しなければなりません。
信頼できる専門業者を見つけて、安全で確実な駆除を行いましょう。
見積もりや現地調査を無料で行っている
余計な費用をかけないためにも、見積もりを無料で作成しているコウモリ駆除業者がおすすめです。
優良な専門業者であれば、現地調査も無料で実施したうえで具体的な見積もりを出してくれます。
また、見積もり書に費用の詳細項目や追加料金の条件が明記されているかどうかも必ず確認しましょう。
証拠を残すためにも、見積もりは口頭ではなく必ず書面でもらうようにしてください。
スピーディーな対応が可能
コウモリを放置しておくと、建物や健康などさまざまな被害が想定されるため、なるべく早めの駆除が必要です。
連絡から現地調査、駆除までスピーディーに動いてくれる専門業者が最適です。
問い合わせの返信や見積もり作成、実際の作業スケジュールなどのレスポンスが早いかどうかをチェックしましょう。
評判や口コミの「対応が早かった」「すぐ来てくれた」といった声も大切な判断材料です。
豊富な対応実績を持つ
対応実績が豊富な専門業者は、コウモリに対するさまざまなノウハウを持っているため、適格な駆除や再発防止策を講じてくれます。
専門業者選びのポイントは以下の通りです。
専門業者選びのポイント
- 過去の対応した施工件数
- 所属スタッフの実績
- 過去に対応した地域
専門業者を選ぶ際は、これまでの対応件数が多いかどうかを確認することが大切です。
実績が豊富な業者ほど経験値が高く、安心して任せられます。
さらに、スタッフの実績も確認できればより信頼性が高まるでしょう。
経験豊富な専門業者であれば、駆除だけでなく再発防止策や自宅でできる簡単な対処法のアドバイスも可能です。
自宅周辺での対応経験があれば、その地域特有のコウモリの棲み処を把握しているため、適切な対策が期待できます。
再発時の保証がある
コウモリは再侵入のリスクが高いため、再発時の保証やアフターフォローが充実しているコウモリ駆除業者を選ぶ必要があります。
契約時に保証の有無や期間、適用条件などを必ず書面で確認しておくことが重要です。
再発保証がなければ、駆除後に被害があった際に新たに費用が発生してしまいます。
安心して暮らすためにも、保証期間を長く設けている専門業者がおすすめです。
コウモリ駆除にかかる費用の目安は?
コウモリ駆除にかかる費用の目安は、コウモリなど害獣駆除を行うBEST株式会社に寄せられた、2023年1月から2025年4月までの680件の問い合わせをもとに算出しました。
問い合わせデータによると、全体の半数以上が5万円未満に収まっており、中央値は約4万6,000円です。
専門業者に依頼する際の一つの目安となるでしょう。
ただし、被害状況によっては修繕やリフォームが必要になり、数十万円を超える費用がかかることも。
建物の構造部分まで被害が進行していたがために、100万円を超える高額な修繕費用が発生した事例もあります。
被害が小さい段階で、早めに専門業者への相談をおすすめします。
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コウモリ駆除は天敵を活用するよりも専門業者に頼んだ方が安心
コウモリの天敵を活用した対策方法は存在しますが、コウモリの追い出しなど駆除には有効とはいえません。
天敵の活用はコウモリ避けと考え、棲みついている場合はまずは駆除を優先にする必要があります。
コウモリ駆除は、専門知識や特別な技術を要するため、専門業者に依頼するのが安心です。
追い出しから糞尿の清掃・消毒、再発防止の封鎖作業までワンストップで対応してくれるので、手間がかからないのはもちろん、健康被害や怪我のリスクも回避できます。
信頼できる業者に依頼するには、無料での見積もりが可能、作業後の長期保証があるといった点に着目して選びましょう。
ただし、被害が進行してしまうと数十万~数百万円もの費用が発生することもあります。
費用を抑えるためにも、コウモリが棲みついているのを発見したら早めに駆除することが大切です。
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