「夜中にバサバサと羽音が聞こえる…」「屋根の隙間あたりを黒い影が動いている・・・」
このようなことでお困りではないでしょうか。
実は、このような状況に陥っている場合、
すでにコウモリが棲みついている可能性があります。
コウモリを放っておくと、フンや悪臭による衛生トラブルに加え、
子どもの健康への悪影響や家の傷みが進む原因にもなりかねません。
とはいえ、いきなり業者に依頼すると時間や費用がかさみそうで、
躊躇してしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、コウモリが嫌う「音」を使った撃退法を中心に、
手軽に始められる対策からプロに頼むべき基準をまとめました。
こんな方におすすめ
- コウモリが棲みついて困っている方
- コウモリを安全に音で追い出したい方
- コウモリの安全な駆除方法を知りたい方
コウモリが嫌いな音の代表例
音によって嫌がる環境を作ることは、手軽でありながら一定の効果が期待できるコウモリ対策の一つです。
なかでも、コウモリの習性に着目した超音波発生装置とラジオの音は、
導入しやすい実践的な方法です。
コウモリは、周囲の状況を把握するためにエコーロケーション(反響定位)という能力を使って生活しています。
超音波を発して反響音を聴き取り、物体の位置や形状を認識しているのです。
コウモリの可聴域はおおよそ20kHz〜100kHzとされており、
エコーロケーションには40kHz〜60kHz前後の周波数が使われています。
この特性を利用したのが、超音波発生装置やラジオを用いた音による対策です。
超音波発生装置
超音波発生装置は、一般的に約25kHz〜65kHzの周波数帯で設計され、
コウモリがエコーロケーションに使用する40kHz〜60kHzの音域と重なります。
コウモリにとっては自分の発する音に干渉する不快なノイズとして認識されやすく、
環境に違和感を覚えてその場から離れようとする行動に繋がります。
設置も簡単で、屋根裏やベランダの下など、コウモリが潜みやすい場所に置くだけで対策が可能です。
電池式タイプであれば配線の手間もなく、購入してすぐに使い始められるのも魅力です。
ラジオの音
ラジオの音を流すだけで、コウモリが嫌がる環境を作り出せるのは、手軽に実践しやすい対策です。
人の声は300Hz〜3,000Hz付近にエネルギーが集中しており、ラジオ放送でもこの音域を中心に声や音楽が再生されています。
ラジオを通じて人の声が長時間響く騒がしい環境が続くと、コウモリは「ここは安心して過ごせない場所」と判断し、
やがて他の静かな場所へと移動するでしょう。
日中だけでなく夜間も継続して音を流すことが、棲みつきを防ぐ有効な対策になります。
参考
コウモリを追い出すための音はどれくらい効果がある?
コウモリは音に敏感なので、ラジオや超音波発生装置を設置するだけでも一定の忌避効果が期待でき、
スマホで YouTube や専用アプリを再生すれば機器を用意せずに対策できます。
しかし、こうした音だけに頼る方法はコウモリが比較的早く慣れてしまうため、
やがて戻ってくる可能性があります。
近隣への配慮として音量を抑える必要もあるため、
匂い忌避剤などや光を利用した忌避策や侵入口の封鎖といった物理的対策を併用し、総合的に環境を整えましょう。
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コウモリが嫌う匂いのアイテム
音と並んで、コウモリ対策としてよく使われているのが匂いを使った方法です。
嗅覚が鋭いコウモリは、ハッカやナフタリンのような刺激の強い匂いを特に嫌う傾向があるため、
これらのアイテムはコウモリ対策として高い忌避効果が期待されています。
- ハッカ
- ナフタリン
ハッカの香り
ハッカの清涼感のある強い香りは、コウモリが特に苦手とする匂いで、
天然由来で刺激の強い香りに反応しやすいといわれています。
市販のハッカ油は、水で薄めてスプレーにしたり、
ハッカの芳香剤をコウモリが出入りしそうな場所に置くだけでも、一定の忌避効果が期待できます。
天然成分で人やペットへの影響が少ないため、家族がいる家庭でも取り入れやすいのが特徴です。
ただし香りは時間とともに薄れてしまうため、こまめな補充や他の対策との併用がおすすめです。
ナフタリンの香り
防虫剤として知られるナフタリンも、コウモリが嫌がる強い匂いの一つです。
侵入経路付近にナフタリンを吊るし、粉末を布袋に入れて設置することで、匂いが持続しやすくなります。
ナフタリンは比較的安価で手に入りやすく、手軽に試せる方法ですが、使用には注意が必要です。
厚生労働省によって発がん性の可能性が指摘されているため、
密閉された屋内や子どもの手が届く場所での使用は避けましょう。
設置後も定期的に様子を確認・交換してください。
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コウモリが嫌がる植物で対策
コウモリ対策として、自然由来の方法を取り入れたい方におすすめなのが植物の香りを活かした方法です。
中でも効果があるとされているのが、ミントやハーブ系の植物です。
ハーブ苗(アルテメシア サザンウッド)
ハーブ系の強い香りは、コウモリが嫌う匂いで、ベランダや窓辺、侵入口付近に植えることで、近寄りにくい環境を作れます。
植物そのものを活用した自然由来の対策であるため、
薬剤を使わずにコウモリ対策をしたい方や、小さなお子さんがいる家庭におすすめの方法です。
ただし、ハーブ系はペットが苦手とする場合もあるため、飼っている動物のことを考えて選びましょう。
ミント苗(スペアミント)
ミントはハーブの中でも特に香りが強く、繁殖力が高いため、
一度植えるとしっかりと根づいて長く活用できます。
コウモリが苦手とする清涼感のある香りを放ち、侵入を防ぐ自然なバリアとして役立つでしょう。
見た目も爽やかで、ベランダや窓辺に取り入れやすく、手軽に始められるのもポイント。
育てながら対策できるので、ガーデニング感覚で続けやすいのも魅力です。
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音や天然素材以外のコウモリ対策グッズも検討しよう
音や天然素材を用いた対策では、不十分な場合があるので、匂いや光を活用したアイテムを併用してみましょう。
LEDライト
コウモリは強い光を嫌うため、屋根裏や軒下にLEDライトを設置することで、
暗所を好む習性を逆手に取った対策が可能です。
人感センサー付きのライトを使えば、コウモリが近づいた瞬間に点灯し、
驚かせて追い払う効果も期待できます。
忌避剤
コウモリ専用の忌避剤は、強い刺激臭や成分でコウモリを追い出すグッズです。
屋根裏やベランダなど、棲みついている場所に設置・噴射することで、
居心地の悪い環境をつくり出し、自然と出ていくよう促します。
即効性があり、超音波や光対策と併用することで、さらに高い効果が期待できます。
コウモリ撃退グッズをどこに置くのが効果的?
コウモリ対策グッズは、
コウモリが侵入しやすい場所やすでに棲みついている可能性の高い場所に設置することで、より効果を発揮します。
効果的な場所
- 屋根裏や天井裏
- 換気扇・通気口・排気口の付近
- 軒下やベランダの隙間
屋根裏や天井裏
屋根裏や天井裏は暗く静かで外敵も少ないことから、コウモリが棲みつきやすく、繁殖に使われやすい場所です。
被害が広がりやすい場所でもあるので、超音波発生装置や忌避剤、ラジオなどを設置して、早めに追い出しましょう。
換気扇・通気口・排気口の付近
コウモリはわずか約1cmの隙間でも侵入できるため、通気口まわりは要注意です。
屋外にはナフタリンやハッカなどの忌避剤を配置し、必要に応じて超音波装置も活用しましょう。
金網などで物理的に塞ぐのも効果的です。
軒下やベランダの隙間
外からは見えにくく、人の出入りも少ない軒下やベランダの隙間は、コウモリにとって格好の潜伏場所です。
LEDライトで常に明るく保ったり、超音波装置やハーブ苗を配置して、寄りつきにくい環境をつくるのが有効です。
超音波発生装置を使ったコウモリ対策の手順
超音波発生装置を効果的に使うには、設置場所と時間帯がポイントになります。
手順1.住処を見つける
コウモリが出入りしている場所やフンが落ちているエリアを確認し、
棲みついている可能性のある場所を特定します。
屋根裏や換気口、シャッターのすき間など、
見落としがちな場所にも注意深く探してみてください。
手順2.侵入経路に向けて設置する
棲んでいる場所が判明したら、屋根裏・軒下・換気口周辺などの侵入経路に向けて装置を設置します。
音がしっかり届くよう、障害物の少ない位置を選ぶのが良いです。
高い効果を発揮させるため、コウモリの活動が活発になる夜間に稼働させてください。
注意点として、音だけでは完全に追い出せない場合もあるため、
忌避剤やLEDライトなどと組み合わせた、複合的な対策を行うのがおすすめです。
超音波発生装置を使う際の注意点
超音波発生装置は便利で手軽に使える反面、
効果を十分に引き出すためにはいくつかの注意点を押さえておく必要があります。
超音波発生装置を使う際の注意点
- 設置場所は開けた空間を選ぶ
- ペットへの影響に注意する
- 使用環境に合った製品を選ぶ
設置場所は開けた空間を選ぶ
超音波は壁や柱などの障害物に当たると反射したり吸収されたりするため、
音がコウモリに届きにくくなり、効果が大きく低下します。
屋根裏や天井裏に設置する際は、装置の近くに梁などの構造物があると超音波が遮られる可能性があるため、
なるべく音が広がりやすい開けた空間に設置しましょう。
ペットへの影響に注意する
犬や猫などのペットは、私たち人間には聞こえない超音波にも敏感に反応し、
周波数によっては、ストレスを感じる場合があります。
装置の使用を検討する際は、ペットへの影響があるか必ず製品の注意書を確認してください。
使用環境に合った製品を選ぶ
超音波発生装置は屋内専用や屋外対応など、使用可能な範囲が整品によって異なります。
特に屋外対応でない装置をベランダや庭に設置してしまうと、
雨や湿気によって内部がショートし、故障するケースもあります。
設置場所に合わない製品を使用すると、効果が十分に発揮されないばかりか、
故障や火災などのリスクにつながる可能性があるため注意しましょう。
超音波装置使用後に起きやすい問題点
超音波発生装置は手軽に始められるコウモリ対策として人気がある一方、効果は限定的です。
慣れによる再発
コウモリは警戒心の強い生き物ですが、同じ環境に長くいると慣れてしまいます。
初めは超音波で逃げたとしても、音に慣れて戻ってくるケースは少なくありません。
音はあくまで追い出すためのきっかけとして使い、その後の環境づくりが大切です。
持続時間
超音波は、コウモリが活動する夜間に合わせて使用するのが効果的です。
電池式は定期的な交換が必要で、
稼働が不安定になるとコウモリが戻ってきやすくなるため、設置後の管理も重要です。
コウモリが棲みついている場合注意が必要
すでにコウモリが屋根裏や通気口などに棲みついている場合、自己判断で追い出したり駆除するのは危険です。
フンや尿による衛生被害だけでなく、
法律の規制や感染症リスクにも注意して、慎重に対処してください。
鳥獣保護管理法におけるコウモリの扱い
日本に生息するコウモリの多くは、「鳥獣保護管理法」によって保護対象となっています。
住宅によく現れるアブラコウモリ(イエコウモリ)も法律の対象であり、
許可なく捕獲・殺傷することは禁止されています。
対処が必要な場合は、追い出し、侵入経路を塞ぐという流れで、
コウモリに傷をつけないようにしましょう。
被害が深刻だったり、自分だけでの対応が難しいと感じた場合は、
コウモリ対策の実績がある専門業者に相談するのが安心です。
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コウモリを見つけたときのNG行為
コウモリを見つけた際、「とにかく早く追い出したい」と思うあまり、自己流で対処しようとするのは危険です。
誤った行動は、ケガや感染症、法律違反につながる可能性もあるからです。
以下のような行為は避けましょう。
素手で触る
コウモリにはウイルスやダニなどが付着している可能性があり、素手で触るのは危険です。
噛まれるリスクもあるため、絶対に触れないようにしましょう。
参考
天井裏などをのぞき込む
狭くて暗い天井裏に無理に入り込んだり、顔を近づけてのぞき込むと、
落下やアレルギー反応、コウモリとの接触事故につながる恐れがあります。
安全が確保できない場所には無理に立ち入らないようにしましょう。
捕まえる
たとえ家の中にいても、コウモリは鳥獣保護管理法により許可なく捕獲することが禁じられています。
法律違反になる可能性があるため、捕まえる行為は絶対に避けてください。
参考
道具で追い出す
棒や網などで無理やり追い出そうとすると、コウモリが暴れて飛び回ったり、逆に屋内の奥に逃げ込んでしまいます。
法律に違反する可能性もあるため、物理的に攻撃したり、
無理に追い払おうとする行為は避けましょう。
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コウモリが棲みつきやすい環境
屋根裏・軒下・換気口・ベランダの隙間などは、棲みかになりやすい環境です。
都市部・郊外を問わず、公園や河川敷、庭の植え込みなど虫が多く集まる場所の近くでは、
エサが豊富なためコウモリが集まりやすくなります。
身近な場所でも、ちょっとした隙間や暗がりがあるだけで棲みつくリスクがあるため、
定期的なチェックは怠らないようにしましょう。
参考
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コウモリの被害
コウモリが家に棲みつくと、生活環境や健康にさまざまな悪影響を与える恐れがあります。
被害は放置するほど深刻化するため、早めの対策を講じましょう。
悪臭による被害
コウモリが換気扇や通気口などに棲みつくと、フンや尿がたまって強い臭いを発するようになります。
アンモニア臭やカビのような匂いが室内に入り込みやすく、
家全体に広がってしまうケースも少なくありません。
悪臭を長く放置してしまうと、匂いだけでなく建材の劣化やカビの発生にもつながり、
最悪の場合リフォームが必要になります。
騒音による被害
コウモリは夜行性のため、夜になると屋根裏などで活動を始めます。
この音が換気口などを通じて屋内に響くと、騒音になりかねません。
「バサバサ」「キィキィ」といった音が続くことで、睡眠を妨げられたり、
精神的なストレスを感じる原因にもなります。
病原菌による被害
コウモリのフンや尿には、ヒストプラズマやサルモネラ、
レプトスピラなどの病原菌が含まれている可能性があります。
ノミやダニなどの寄生虫を媒介することもあるため、健康被害のリスクが伴います。
小さな子どもや高齢者がいる家庭では、感染症対策としても早めに対処しましょう。
コウモリのフンに含まれる病原菌・寄生虫 | |||
病原菌 | 感染症名 | 主な症状 | 参照元 |
ヒストプラズマ菌 | ヒストプラズマ症 | 発熱、咳、倦怠感、呼吸器困難など | 岩手感染症情報センター |
サルモネラ菌 | サルモネラ感染症 | 腹痛、下痢、発熱 | JUMA-Vet |
レプトスピラ菌 | レプトスピラ症 | 発熱、頭痛、筋肉痛など、重篤化すると腎不全や肝障害を伴う黄疸が発生する | J-Stage |
狂犬病ウイルス | 狂犬病 | 発熱、神経症状、倦怠感など、発症するとほぼ100%死亡する | 国立感染症研究所 |
ニパウイルス | ニパウイルス感染症 | 発熱、頭痛、嘔吐、急性脳炎症状など 致死率が高い |
理化学研究所 |
リッサウイルス | リッサウイルス感染症 | 狂犬病に似た神経症状など、進行すると中枢神経障害が起きる | 岩手県感染症情報センター |
SARS関連コロナウイルス | SARS | 発熱、筋肉痛など、重篤化すると急性呼吸窮迫症候群を起こす | 理化学研究所 |
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音だけでは不十分?抜本的な駆除も視野に
超音波やラジオなどの音を使った対策は、手軽に始められますが、
あくまで一時的な追い出しにすぎません。
コウモリは慣れてしまうこともあり、再び戻ってくる可能性もあります。
被害が続いている場合は、根本的な対策として、追い出し+清掃+再発防止のセットで対応しましょう。
追い出しやすい時間に忌避剤を使う
コウモリは夕方から夜にかけて巣から出て活動するため、
日没前のタイミングで忌避剤を使用するのが効果的です。
屋根裏や軒下など、コウモリが潜んでいそうな場所に煙タイプやスプレータイプを使って、
巣から出やすい環境を作りましょう。
糞尿掃除はまんべんなく
コウモリのフンや尿は強い匂いを放つため、健康被害や建物の老朽化に繋がります。
放置せず、隅々までしっかりと掃除しましょう。
しっかり消毒する
フンや尿によって付着した病原菌やウイルスを除去するための消毒を行いましょう。
市販の消毒用スプレーを使うか、
不安がある場合は業者に依頼して専門的に除菌・清掃してもらうのも選択肢のひとつです。
追い出したあとは再来防止を徹底する
コウモリを追い出せても、侵入経路がそのままだと戻ってくる可能性が高いです。
通気口や換気扇の隙間は、金網などで再侵入を防ぎましょう。
こちらもCHECK
コウモリ被害はプロに相談を
音での対策をしても効果が感じられない、被害が継続している場合は、
専門業者に依頼するのが確実で安心です。
業者に頼むメリット
- 確実に追い出せる
- 侵入経路の特定・封鎖、再発防止まで対応
- 法律を守った安全な駆除が可能
- 高所作業や清掃を任せられるため、ケガや感染リスクを回避できる
手間や安全性、再発のリスクを考えると、プロに任せたほうが確実で安心です。
「自分で試すより、最初から頼めばよかった」と感じる人も多いため、コウモリ駆除に悩んでいるなら、早めにプロに相談してみてください。
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