なぜコウモリは鳥獣保護管理法の対象？捕獲するのはNG？

「コウモリが家の中や周辺に棲みついて困っている」

「健康被害や建物への影響が心配」といった状況はありませんか？

 

この記事では、鳥獣保護法の基本からコウモリ駆除の具体的な方法、最適な時期や時間帯、さらには自宅でできる対策までを詳しく解説します。

 

適切な対策をとることで、コウモリ被害を防ぎ、安心した暮らしを取り戻せます。

 

また、法令を守る重要性や害獣駆除専門業者の利用メリットについても紹介していきますので、参考にしてみてください。

鳥獣保護管理法とは

鳥獣保護法(正式名称：鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)は、

日本国内の野生動物を保護し、その適切な管理を目的として制定された法律です。

この法律では、鳥類および哺乳類に分類される野生動物を対象としており、

捕獲や殺傷といった行為が厳しく制限されています。

特に絶滅危惧種を守るために重要な役割を果たしており、違反者には法律に基づいて罰則が適用されます。

鳥獣保護法に違反した場合には、

1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられることがあります。

違法行為を未然に防ぐためにも、法律を正しく理解し遵守することが不可欠です。

鳥獣保護法は、自然環境の保護と生態系の維持において、非常に重要な役割を担っています。

鳥獣保護管理法におけるコウモリの扱い

鳥獣保護法の適用対象のコウモリは哺乳類に分類されます。

多くの種が日本国内で絶滅危惧種に指定されており、無許可で捕獲したり殺傷する行為は法律で厳しく禁じられています。

しかし、イエコウモリ(アブラコウモリ)が家屋に棲みつくケースが多く、糞尿や騒音などのトラブルがしばしば報告されています。

なぜコウモリが鳥獣保護法対象なのか

害獣扱いとされているコウモリがなぜ鳥獣保護法対象なのか、疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。

日常生活においては、家屋に棲みついてしまったり、感染症を伝染させたり、負の部分が表面化しやすいですが、生態系において重要な側面を持っています。

肉食性のコウモリは蚊やハエ、ゴキブリ、カナブンなどの飛翔昆虫を主食としており、農作物に被害を与える害虫を駆除してくれます。

また、日本に生息するコウモリの多くは絶滅危惧種に指定されていて、環境汚染や森林破壊によって数を減らしてしまっています。

そのため、コウモリを完全に駆逐するのではなく、法律で保護し共存していくために鳥獣保護法の対象になっているのです。

コウモリを見つけたときの7つのNG行為

コウモリを見つけた際には、感染症や鳥獣保護法違反を防ぐために注意すべきポイントがあります。

知識がないまま不適切な対応をしてしまうと、大きな問題を起こしかねません。

素手で触らない

コウモリには病原菌や寄生虫が付着している可能性が非常に高く、感染症を引き起こす場合があります。

特にヒストプラズマ症などの感染症にかかると発熱や咳、倦怠感といった症状に発展し、

免疫が低い人は重症化の危険性もあります。絶対に素手で触らないよう注意が必要です。

天井裏などをのぞき込まない

天井裏や狭い空間に潜んでいるコウモリに近づくと、驚かせてしまったり、糞尿による健康被害を受ける可能性があります。

感染症やアレルギー反応を引き起こす場合もあるため、安易にのぞき込んではいけません。

捕まえない

コウモリを捕まえる行為は鳥獣保護法に違反する重大な行為です。

無許可でのコウモリの捕獲は鳥獣保護法違反となり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されるため、絶対に避けましょう。

道具で追い出さない

ほうきや洗濯用の吊り竿などの硬い道具を使ってコウモリを追い出そうとすると、コウモリを傷つけてしまう可能性があります。

道具を使うこと自体は有効な時もありますが、傷つけてしまうと鳥獣保護法違反に該当して処罰の対象となります。

騒いだり大声を出したりしない

大きな音や騒音は、コウモリがパニックになり予期せぬ行動をとることがあります。

コウモリが「飛び回って壁や天井に激突する」「人に向かって飛んでくる」などで、怪我をしたり、感染症にかかる恐れがあるため、適切な対応が求められます。

急に光を当てない

コウモリの多くは夜行性で、急激な光に敏感です。

懐中電灯やカメラのフラッシュなどを直接コウモリに向けると、目を傷める可能性があります。

また、光に驚いたコウモリが暴れたり逃げ回ったりすることで、怪我や二次被害が発生する恐れもあります。

ただし、正しい方法で光を使用すれば、コウモリを追い出す手段として有効です。

例えば、柔らかい光を用いればコウモリを窓の方に誘導できます。

光を使用する際は、急に光を当てず周囲への影響やコウモリの反応を考慮しつつ、慎重に対応してください。

殺虫剤や殺鼠剤を使用しない

殺虫剤や殺鼠剤は、コウモリにとって有害であり、場合によってはコウモリに致命的なダメージを与えてしまいます。

これらの薬剤を不適切に使用すると、環境汚染や他の生物への悪影響も懸念されます。

コウモリ対策は適切な知識を身につけ、正しい道具を用いることが重要です。

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コウモリが棲みつきやすい環境

コウモリは、人間の生活空間に近い場所を巣として選ぶ習性があります。

そのため、建物の構造や環境を確認し、事前に対策をしましょう。

コウモリが好む場所として、軒下や屋根裏、換気口などが挙げられます。

また、エアコン室外機の配管や建物の小さな隙間も侵入経路となり得るため、注意が必要です。

これらの場所は暗く静かで巣作りに適しているため、定期的に点検をすることで、予防や早期発見につながります。

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コウモリによる主な4つの被害

コウモリによる被害は、健康面や建物への影響、さらには心理的な負担など様々なものがあります。

被害を未然に防ぐためにも、家にコウモリが棲みついていた場合どのようなリスクがあるのか把握しておくことが重要です。

病原菌による健康被害

コウモリに咬まれたり、糞尿がかかったりすることで、体液(唾液)が傷口や粘膜に触れて狂犬病に感染する場合があります。

糞尿に含まれるヒストプラズマ菌を吸い込むことでヒストプラズマ症(発熱、咳、倦怠感といった症状)を発症するなど、病原菌による感染症やアレルギーを引き起こす可能性もあるため注意が必要です。

その他にもコウモリが持つ病原菌や寄生虫は様々です。

病原菌や寄生虫に伴って発生する可能性のある感染症についてまとめているので参照してみてください。

病原菌・寄生虫	感染症名	主な症状	参照元
狂犬病ウイルス	狂犬病	発熱、倦怠感、神経症状(恐水症、精神錯乱など)、最終的には昏睡状態から死に至る。	国立感染症研究所
ヒストプラズマ菌	ヒストプラズマ症	発熱、咳、倦怠感、呼吸困難などの肺感染症状。重症化すると肝脾腫(かんぴしゅ)や骨髄病変(こつずいびょうへん)などに発展する。	岩手県感染症情報センター
ニパウイルス	ニパウイルス感染症	発熱、頭痛、嘔吐、急性脳炎症状(意識障害や脳機能不全)。致死率が高い。	理化学研究所
リッサウイルス	リッサウイルス感染症	狂犬病に似た神経症状(発熱、倦怠感、嚥下困難など)。進行すると中枢神経障害を引き起こす。	岩手県感染症情報センター
SARS関連コロナウイルス	SARS	発熱、筋肉痛などインフルエンザ様の症状。重篤化すると急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を引き起こす。	理化学研究所
レプトスピラ菌	レプトスピラ症	発熱、頭痛、筋肉痛。重篤化すると腎不全や肝障害を伴う黄疸(おうだん)に発展する。	J-Stage
サルモネラ菌	サルモネラ感染症	腹痛、下痢、発熱を引き起こす。	JVMA-Vet

建物への影響

糞尿が建物に付着することで、腐食や汚れが発生し、結果的に建物の寿命を縮める原因となります。

また、天井裏などに巣を作られると、修繕に高額な費用がかかる場合もあります。

悪臭

コウモリの糞尿は、アンモニア臭やドブのような悪臭を放ち、生活に大きな影響を及ぼします。

特に、乾燥した糞尿は粉状になりやすく、空気中に舞い上がって広範囲に悪臭を広げるだけでなく、それを吸い込むことで精神的なストレスやヒストプラズマ症への感染リスクを引き起こす可能性があります。

悪臭を感じた場合は、早急に対策することが重要です。

近隣への迷惑

鳴き声や羽ばたき音が近隣住民まで届くことがあります。

コウモリは夜間に活動するため、騒音問題が発生しやすいです。

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コウモリ駆除に適切な時期と時間帯

コウモリを駆除する際は、適切な時期と時間帯を選ぶことが非常に重要です。

時期や時間帯を考慮せずに行うと、効果が薄れるばかりか、新たなトラブルを引き起こす原因になります。

駆除に適した時期や避けるべき時期、効果的な時間帯について、それぞれの理由や注意点を交えて解説します。

コウモリ駆除に最適な時期

コウモリ駆除を行う際は、成熟した個体のみが活発に活動している期間を狙うことが重要です。

このタイミングを選ぶことで、繁殖期に親子が離ればなれになってしまったり、未熟な個体を傷つけるリスクを避けることができます。

特に子コウモリは飛ぶ能力や自力で餌を取る能力が十分ではないため、親と分離されると命に関わる可能性があります。

鳥獣保護法では、許可なくコウモリを捕獲・殺傷することが禁じられているため、子コウモリへの影響を避けることは法律遵守の観点からも非常に重要です。

春(4月～6月)

春は、コウモリが繁殖期に入る前の段階であり、親と子が一緒にいる時期を避けられます。

そのため、駆除作業をスムーズに進めることができる理想的なタイミングです。

この時期は、子どもが巣立つ前なので、親子が離ればなれになってしまうことは発生しにくいです。

秋(9月～10月)

秋は繁殖期を終えたタイミングであり、子コウモリが自立しています。

このため、巣全体の撤去作業がしやすく、効果的な駆除が可能です。

この時期に対応することで、建物への被害や近隣への迷惑を軽減できます。

コウモリ駆除をプロに頼んだ方が良い時期

夏(7月～8月)

夏は繁殖期の最中であり、親コウモリと子コウモリが離ればなれになってしまう確率が高い時期です。

この時期に駆除を行うと、親コウモリがいなくなった後に子コウモリが餓死したり、死骸が腐敗して悪臭の原因になる可能性があるため、専門業者に依頼することを推奨しています。

冬(11月～3月)

冬はコウモリが冬眠する時期であり、活動が極めて低下します。

この状態で追い出すことは難しく、無理に駆除しようとするとかえってコウモリを傷つけてしまうため、専門的な知識がある方に依頼するのが適切です。

コウモリ駆除にオススメの時間帯

コウモリは夜行性であり、日没後から活動を開始します。

日中は休息しており日没後に巣から出てくるため、出入り口を見つけやすいです。

また、活動中のコウモリを追い出すことで、効率的な駆除が期待できます。

ご自身でコウモリ駆除を行う場合は日没後の駆除作業を推奨しています。

プロに頼んだ方が良い時間帯

日中はコウモリが休息しているため、巣にいる可能性が高いです。

鳥獣保護法や感染リスクをふまえると、再来防止も含めて日中の時間帯に駆除をしたい方は専門業者に依頼するのが良いです。

コウモリ駆除に最適なタイミングまとめ

春(4月～6月)や秋(9月～10月)の日没後は、コウモリ駆除に最も有効なタイミングです。

これらの時期は親子が離ればなれになることや、

未熟な個体への影響を避けながら効率的に駆除を進められます。

一方で、夏(7月～8月)や冬(11月～3月)はそれぞれ繁殖期や冬眠期になるため専門業者に依頼することがオススメです。

これらのポイントを押さえることで、安全かつ効果的にコウモリ駆除を行うことができます。

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自宅でできるのコウモリ対策6つの手順

コウモリ対策には、明確な手順があります。

6つの手順を実践すれば再発防止にもつながります。

ただし、自分で実践する場合には感染症などのリスクを把握したうえで自己責任で行ってください。

①巣の場所を把握する

コウモリ対策でまずやるべきことは、巣の場所を特定することです。

軒下や屋根裏、換気口など、コウモリが好む場所を重点的にチェックしてみてください。

コウモリの糞や鳴き声、羽音が聞こえた場合は、その近くに巣を作っている可能性が高いです。

どこから侵入しているのかを正確に把握しましょう。

②追い出す

巣の場所が特定できたら、次はコウモリを追い出す作業に移ります。

コウモリを傷つけずに追い出すための方法は主に3つです。

• • 蚊取り線香や忌避剤を使用する
    コウモリが嫌うミントの香りがする忌避剤や、煙を発生させる蚊取り線香を使用します。煙が巣に届くように配置することで、コウモリが嫌がって出て行きます。

コウモリ寄せつけない! 忌避剤

• • LEDセンサーライトを設置する
    夜行性のコウモリは光を嫌うため、LEDセンサーライトを使用して巣から追い出します。屋根裏や軒下にライトを当てることで、コウモリが居心地の悪さを感じて移動します。

LED強力フラッシュライト

• • 超音波機器を活用する
    コウモリの空間認知能力を混乱させる超音波機器は、効果的な追い出し手段です。ただし、長時間使用するとコウモリが慣れる可能性があるため注意が必要です。

超音波害虫駆除機 

これらの方法を組み合わせて使用し、コウモリを安全かつ確実に追い出しましょう。

その際、鳥獣保護法を遵守し、適切な方法で対処することが重要です。

③消毒と清掃をする

コウモリを追い出した後は、

健康被害や悪臭の発生を防ぐためにも糞尿の清掃と消毒を徹底しましょう。

• 準備
  作業前に必ずマスクや手袋を着用し、感染症やアレルギーのリスクを防ぎます。必要に応じてゴーグルも使用してください。
• 糞尿の清掃
  ほうきと塵取りを使い、コウモリの糞を丁寧に集めます。乾燥した糞が舞い上がらないよう、水で湿らせた布やペーパータオルで拭き取るのも効果的です。集めた糞は密閉できる袋に入れて廃棄します。
• 消毒作業
  清掃後は、市販の消毒液やアルコールスプレーを使用して、糞尿が付着していた場所をしっかりと消毒します。特に天井裏や壁面など、糞尿が付着しやすい場所は念入りに行いましょう。

これらの作業を行うことで、

病原菌による感染症リスクを最小限に抑えることができます。

また、清掃後は手洗いとシャワーで体についた汚れも落とすようにしてください。

④侵入経路を塞ぐ

消毒作業が完了したら、コウモリの侵入経路となる隙間を確実に塞ぎます。

ガムテープを使用することは一時的な手段として有効ですが、長期的な対策としては不適切です。

耐久性のある道具でしっかりと遮断しましょう。

• • • • パテやシーリング材
        小さな隙間にはパテやシーリング材を使用して完全に埋めることで、コウモリが侵入できない状態にします。

    
    穴うめパテ

  
  超多用途シール スーパーシール

  • 金網やステンレスメッシュ
    換気口や通気口などの大きな開口部には、耐久性の高い金網やステンレスメッシュを取り付けて保護します。これにより、通気性を確保しながら侵入を防ぐことができます。

ステンレスソフトネット

• • 専用の隙間カバーや防鳥ネット
    市販されている隙間カバーや防鳥ネットを使用することで、効果的に侵入経路を遮断できます。

防鳥ネット

作業後は、他の侵入経路がないかも確認し、怪しい隙間は適切に塞ぎましょう。

また塞いだ箇所からコウモリが侵入していないか定期的に確認することも大切です。

⑤コウモリが再来しない環境を作る

家屋周辺を整理整頓し、定期的な清掃を行うことも重要です。

清潔で整った環境は、コウモリが棲みつく可能性を低下させます。

また、設置タイプの忌避剤を使用したり、コウモリが嫌う香りを持つハーブ(ミントやラベンダーなど)を植えることも、有効な対策の一つです。

⑥定期的にチェックする

一度コウモリを追い出した後も油断せず、定期的に家屋内外をチェックしましょう。

再来の兆候としては、軒下や屋根裏に糞が落ちている、鳴き声や羽音が聞こえる、換気口や隙間に新たな汚れや痕跡が見られるなどが挙げられます。

これらのサインを確認し、早期に対応することが重要です。

以上の手順に基づき、安全かつ効果的な方法でコウモリ対策を進めてください。

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プロに頼む方が安心

正しい知識や対処法を持たずにコウモリ駆除を行うことは、健康被害のリスクや鳥獣保護法違反につながる可能性があるため、

自己責任で対処する必要があります。

しかし、完全な駆除を自力で行うのは難しく、再来や想定外のトラブルが発生することも少なくありません。

一緒にお住まいのご家族やご自身の健康や安心・安全を守るためには、経験豊富なコウモリ駆除業者に依頼することが最善です。

コウモリ駆除業者は鳥獣保護法を厳守し、正しい方法で迅速かつ確実に対応してくれます。

もし再来してしまった場合でも、アフターサービスや定期点検があるので、長期的にみても安心です。

コウモリにお悩みの方は、ぜひ一度問い合わせしてみてください。

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