「屋根裏からキーキーと鳴き声がする…」「天井にシミのような汚れが…」
そんな異変に心当たりがある方は、屋根裏にコウモリが棲みついている可能性があります。
屋根裏は人の気配がなく、暗くて暖かいため、
コウモリにとって快適なねぐらになりやすい場所です。
放置すれば、糞尿による悪臭や雑菌の繁殖、断熱材の破損など、
建物の衛生面や機能面に深刻な影響を及ぼしかねません。
この記事では、コウモリが屋根裏に棲みつく原因から、見つけ方、
追い出し方、再発を防ぐ対策方法までを詳しく解説します。
被害が拡大してしまう前に、早めに対策して安全な住まいを取り戻しましょう。
このような方におすすめ
- 屋根裏から鳴き声や羽音が聞こえることがある方
- 天井にシミや汚れができていて原因がわからない方
- コウモリのフンらしきものを見つけたことがある方
- 屋根裏や高所作業が不安、危険だと感じている方
屋根裏はどうなっている?
屋根裏とは、建物の最上階の天井と屋根のあいだにある空間のことを指し、
内部には断熱材や梁(はり)などが張り巡らされており、普段は人が立ち入ることはありません。
屋根の形状によって広さや高さは異なりますが、
人がかがんで移動できるほどのスペースがあることもあります。
複雑に組まれた柱や梁が視界を遮り、死角も多いため、
コウモリのような小動物が棲みつきやすい環境になりやすいのが特徴です。
屋根裏にコウモリがいるかチェック
屋根裏は人が立ち入る機会が少なく、普段は目が届きにくいため、
コウモリが棲みついても気づかれにくい場所です。
屋根裏にコウモリがいる場合、フンや音といった異変のサインが現れることがあります。
以下のようなポイントに心当たりがある場合は、早めの確認をしてください。
屋根裏にコウモリがいるかチェック
- 屋根裏の天井板や断熱材に黒いフンや汚れが付いている
- 屋根裏から鳴き声が聞こえてくる
- 屋根裏から羽音が響いてくる
- 春から秋にかけて異臭が漂ってくる
屋根裏の天井板や断熱材に黒いフンや汚れが付いている
屋根裏の天井板や断熱材の上に、乾燥して崩れやすい黒っぽいフンが落ちていないか確認してみてください。
普段は目に触れない場所ですが、天井に不自然な汚れやシミがある場合は、屋根裏の内部も確認してみましょう。
チェックポイント
- 天井裏や断熱材の上に黒いフンが散らばっている
- 同じ場所に複数のフンが固まって落ちている
- 天井板や壁に黒い汚れやシミが付着している
屋根裏から鳴き声が聞こえてくる
屋根裏から「キーキー」「チーチー」といった甲高い音が聞こえる場合は、
コウモリが棲みついている可能性があり、出入りや活動の気配があるサインです。
チェックポイント
- 屋根裏の方向から「キーキー」「チーチー」といった高音が聞こえる
- 天井付近から音が響く
- 静かな時間帯に音が気になることがある
屋根裏から羽音が響いてくる
屋根裏から「バサバサ」と羽ばたくような音が聞こえる場合は、コウモリが飛び回っている可能性があります。
羽音は天井を通して伝わることが多く、コウモリの気配を感じるサインです。
チェックポイント
- 屋根裏から羽ばたくような「バサバサ」という音がする
- 音がする時間帯や頻度がだんだん増えてきている
春から秋にかけて異臭が漂ってくる
気温が上がる春から秋にかけて、屋根裏からツンとした刺激臭やアンモニア臭のような異臭が漂ってくる場合、
コウモリのフンや尿が原因の可能性があります。
放置すると悪臭が強くなるだけでなく、カビや雑菌の繁殖による健康被害にもつながる恐れがあるため注意が必要です。
チェックポイント
- 屋根裏付近から刺激臭や動物臭のようなにおいがする
- においが気温の高い日や夜間に強くなる
- 家の中で特定の場所だけ異臭を感じるようになった
屋根裏を確認する方法
屋根裏にコウモリが棲みついているか確かめるには、点検口などから実際に中の様子を覗く必要があります。
屋根裏を確認する方法
- 天井点検口
- ユニットバス点検口
- 収納の天井板(古い家で外れる構造のもの)
ユニットバスの天井高は約2メートル、一般的な室内の天井高はおよそ2.4メートルあるため、
脚立を使って確認する必要があります。
高所での作業になるため、無理な体勢や片手作業は避け、安定した足場を確保してください。
屋根裏は暗く、懐中電灯がなければ内部が見えず、誤って踏み外して落下する危険があります。
内部を確認する場合でも、点検口から無理に体を乗り出さず、安全第一で作業してください。
なぜ屋根裏は狙われる?コウモリが棲みつきやすい理由
屋根裏は、人が出入りすることがほとんどなく、外からも見えづらいため、コウモリにとって快適な場所です。
以下のような理由から、コウモリが安心して棲みついてしまうことがあります。
コウモリが棲みつきやすい理由
- 軒下や屋根の隙間が侵入経路になっている
- ナイトルーストに適した静かで暗い空間
- 人の気配がなく、外敵から身を守れる安全な空間
軒下や屋根の隙間が侵入経路になっている
古い住宅やメンテナンスが不十分な建物では、
軒下や屋根材の合わせ目に隙間ができていることがあります。
コウモリは1cm程度の小さな隙間でも侵入できるため、そのまま屋根裏へ入り込まれるケースが多く見られます。
侵入経路が複数ある場合、完全に追い出すことが難しくなるため注意が必要です。
ナイトルーストに適した静かで暗い空間
コウモリは夜行性のため、日中は静かで暗い場所に身をひそめて休息します。
屋根裏は光が差し込まず、人の気配も届かないため、昼間のねぐら(ナイトルースト)として最適だからです。
ナイトルーストとは?
ナイトルーストとは、コウモリが夜間に一時的に羽を休める場所のことです。
必ずしも棲みついているとは限らず、移動の途中で立ち寄る休憩所のように使われている場合もあります。
人の気配がなく、外敵から身を守れる安全な空間
屋根裏は人が立ち入ることがほとんどなく、外からも見えにくい構造のため、コウモリが安心して棲みつきやすい環境です。
静かで閉ざされた空間は外敵に見つかりにくく、一度住みつかれるとフンによる悪臭や夜間の騒音など、
深刻な被害につながる恐れがあります。
コウモリが集まりやすい環境
以下のいずれかに当てはまる環境がある場合、棲みつかれる可能性があるため、
自宅のまわりを一度チェックしてみましょう。
コウモリが集まりやすい環境
- 暗くて暖かい場所
- エサになる虫が多い
- 侵入経路や隙間がある
- 河川や農地、池などの自然環境が豊富である
暗くて暖かい場所
コウモリは、洞窟や森林のような、直射日光が当たらず気温が安定した薄暗い場所を好みます。
風通しが悪く、熱がこもりやすい構造になっている場所は、休息や繁殖の場として狙われやすいです。
エサになる虫が多い
コウモリは昆虫を主なエサとしているため、虫が多く集まる環境が周囲にあると、
近くに棲みつかれる可能性が高くなります。
夜間に点灯する外灯やベランダの照明、玄関灯などには虫が集まりやすく、コウモリも引き寄せられやすいです。
侵入経路や隙間がある
コウモリは体が小さく、わずか1cmほどの隙間があれば侵入できるため、
屋根の隙間や換気口などは侵入経路として利用されやすくなります。
老朽化や施工不良によって発生したひび割れや建材の継ぎ目も、
放置するとコウモリの侵入口になりやすいです。
河川や農地、池などの自然環境が豊富である
周囲に河川や農地、池などの自然が多い地域では、
昆虫が多く発生するため、コウモリにとってエサ場に困らない環境です。
こうした立地では、建物の周辺にコウモリが飛来しやすく、屋根裏に棲みつかれる可能性が高まります。
屋根裏にコウモリがいる家の特徴
住宅の立地や構造によってコウモリの被害に遭いやすいかどうか変わります。
以下のような特徴がある家では、コウモリが屋根裏に侵入し、棲みつくケースが多いため注意してください。
屋根裏にコウモリがいる家の特徴
- 築10年以内の家屋
- 築古で侵入経路がある家
- 一日を通して静か
築10年以内の家屋
築浅の住宅は、断熱性・気密性・防音性が高く、屋根裏の温度や湿度が安定しやすいうえに、
外部からの音や振動も少ないため、人の気配を感じにくい環境になっています。
コウモリ以外の害獣が棲みついていないことも多く、
外敵による危険も少ないため、意外にもコウモリにとって住みやすい環境です。
築古で侵入経路がある家
築年数の経過した家屋では、屋根材や軒下まわりに隙間やひび割れが生じやすいです。
劣化部分が放置されていると、コウモリにとって侵入経路になりやすく、屋根裏へ入り込まれる原因になります。
一日を通して静か
日中に人の出入りが少なく、生活音がほとんどない家屋では、静かで落ち着いた環境になってしまいます。
ペットを飼っていない家庭や、人通りが少ない通りに面している家屋は、コウモリにとって安心できる環境になりやすいです。
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屋根裏にあるコウモリの巣の見た目
コウモリは枝や巣材を集めて巣をつくることはなく、暗く狭い場所に長くとどまることで、
周囲にフンや体毛、においなどが蓄積していきます。
こうした滞在の痕跡を巣として発見されることが多く、屋根裏も同様です。
屋根裏はふだん目が届かないため、気づいたときにはフンが大量に積もっていたり、
天井板にシミができていたりするケースもあります。
異変に気づいた場合は、被害の拡大を防ぐためにも、早めに屋根裏の状態を確認してください。
屋根裏のコウモリを放置する危険性
屋根裏にコウモリが棲みついた状態を放置すると、衛生面の悪化だけでなく、
生活環境や建物そのものへの被害が深刻化してしまいます。
特に屋根裏は、家の老朽化にダイレクトに影響する場所のため、大規模なリフォームが必要になるケースも少なくありません。
目が届きにくい場所だからこそ、早めの対策が被害の拡大を防ぐ鍵になります。
悪臭
コウモリの糞尿が屋根裏に蓄積すると、強いアンモニア臭が発生し、天井を通じて室内全体に臭いが広がる恐れがあります。
屋根裏は密閉性が高く換気が難しいため、臭気がこもりやすく、断熱材や木材に染み込みやすいです。
一度染みついた臭いは簡単に除去できず、長期間にわたって悪臭に悩まされる場合もあります。
騒音
屋根裏にコウモリが棲みついている場合、「キーキー」という鳴き声や「バサバサ」と羽ばたく音が天井から響くことがあります。
屋根裏は音が反響しやすく、室内に伝わりやすいため、生活への支障が出やすいです。
病原菌
コウモリのフンには、ヒストプラズマなどの病原菌が含まれている場合があり、乾燥すると粉じん化して空気中に拡散します。
屋根裏は気密性が高く、空気の流れが悪いため、こうした粉じんがこもりやすく、室内に広がる恐れがあります。
吸い込むことで呼吸器系の健康被害を引き起こす可能性があり、抵抗力の弱い人や小さな子どもがいる家庭では注意が必要です。
被害を最小限に抑えるためにも、異変に気づいた段階で早めに対策してください。
コウモリのフンに含まれる病原菌・寄生虫 | |||
病原菌 | 感染症名 | 主な症状 | 参照元 |
ヒストプラズマ菌 | ヒストプラズマ症 | 発熱、咳、倦怠感、呼吸器困難など | 岩手感染症情報センター |
サルモネラ菌 | サルモネラ感染症 | 腹痛、下痢、発熱 | JUMA-Vet |
レプトスピラ菌 | レプトスピラ症 | 発熱、頭痛、筋肉痛など、重篤化すると腎不全や肝障害を伴う黄疸が発生する | J-Stage |
狂犬病ウイルス | 狂犬病 | 発熱、神経症状、倦怠感など、発症するとほぼ100%死亡する | 国立感染症研究所 |
ニパウイルス | ニパウイルス感染症 | 発熱、頭痛、嘔吐、急性脳炎症状など 致死率が高い |
理化学研究所 |
リッサウイルス | リッサウイルス感染症 | 狂犬病に似た神経症状など、進行すると中枢神経障害が起きる | 岩手県感染症情報センター |
SARS関連コロナウイルス | SARS | 発熱、筋肉痛など、重篤化すると急性呼吸窮迫症候群を起こす | 理化学研究所 |
雨漏り
屋根裏にコウモリが出入りしているということは建物に隙間がある証拠であり、
そこから雨水が侵入すると木材が浸食されて建物の劣化を招きます。
加えて、屋根材の下に湿気がこもることでカビが発生しやすくなり、
室内環境の悪化や、湿気を好むシロアリの発生にもつながります。
被害が屋根裏だけにとどまらず、家全体に広がる可能性もあるため注意が必要です。
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コウモリを見つけたときのNG行為
屋根裏でコウモリを見かけた際、驚いて安易に行動すると、さまざまな被害につながる恐れがあります。
以下のような行為は避け、冷静に対応してください。
コウモリを見つけたときのNG行為
- 素手で触る
- 天井裏などをのぞき込む
- 捕まえる
- 道具で追い出す
素手で触る
コウモリにはヒストプラズマや狂犬病ウイルスなどの病原菌が付着している可能性があり、
素手で触れると噛まれたり引っかかれたりして感染症にかかる危険があります。
屋根裏は、狭い空間でホコリや粉じんがこもりやすいため、乾燥したフンが舞い上がると吸い込んでしまう危険性が高くなります。
健康被害を防ぐためにも、絶対に素手では触れず、無理に近づかないようにしてください。
天井裏などをのぞき込む
屋根裏は高所にあり、はしごや脚立を使って確認する必要があるため、足場が不安定になりやすく危険です。
断熱材の上に乗ると天井板が抜ける恐れがあるほか、狭く暗い空間でのぞき込むことで、
粉じんを吸い込んだり、コウモリが飛び出してきてパニックになる危険もあります。
不用意に覗き込まず、異変に気づいた時点で専門業者に相談してください。
捕まえる
コウモリを自分で捕まえようとすると、かまれたり引っかかれたりして病原菌に感染する恐れがあります。
コウモリは鳥獣保護管理法により、許可なく捕獲することが法律で禁じられています。
たとえ屋根裏で見つけたとしても、自力で捕まえることは避け、専門業者に任せてください。
道具で追い出す
棒や掃除道具などを使って追い払おうとすると、
コウモリが驚いて屋根裏を飛び回り、配線の断線や断熱材の損傷につながる可能性があります。
場合によっては、天井裏から屋内へ入り込んでしまうこともあるため、大きなトラブルに発展する可能性もあります。
物理的に追い出そうとする行為は避け、適切な方法で対策しましょう。
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鳥獣保護管理法ではコウモリも保護対象
コウモリは鳥獣保護管理法により保護されており、許可なく捕獲したり傷つけたりすることは禁止されています。
違反すると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があるため、安易に手を出すのは危険です。
屋根裏で見つけた場合でも、自己判断で捕獲や駆除はできません。
無理に接触すれば噛まれたり引っかかれたりする恐れがあり、病原菌による健康被害にもつながります。
異変に気づいた際は、自分で追い出そうとせず、専門業者に相談するのが安全かつ確実です。
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屋根裏にいるコウモリの追い出し方
屋根裏にコウモリが棲みついている場合は、できるだけ早めに追い出しましょう。
本来は、法律や安全面の観点から専門業者に任せるべきですが、費用を抑えるために自力での対応を検討する人もいます。
ただし、屋根裏での作業は高所作業となるため、脚立の使用や足場の不安定さによる転落、
天井を突き破るなどの事故が多いです。
加えて、屋根裏は狭く粉じんがこもりやすい空間でもあり、糞尿による健康被害も無視できません。
自分で対応する場合は、無理のない範囲で慎重に作業を進め、以下の手順に沿って安全に対処してください。
屋根裏にいるコウモリの追い出し方
- 点検口を確認する
- 駆除道具を用意する
- 服装を整える
- 忌避剤を使用する
- ライトを付ける
- 清掃・消毒をする
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①点検口を確認する
追い出し作業を始める前に、まず屋根裏に安全にアクセスできる点検口があるかを確認しましょう。
既に棲みついているコウモリを追い出すには、屋根裏の状態を確認し、
忌避剤やライトなどを使うための作業スペースを確保する必要があります。
天井点検口やユニットバスの天井裏などに設置されているケースが多く、
高所になるため脚立などを使って安全に確認してください。
屋根裏は暗く、床がない構造も多いため、点検口から無理に中へ入らず、
見える範囲で作業が可能か、安全に道具を使用できるかを事前にチェックしておきましょう。
少しでも不安がある場合や、足場が不安定な場合は無理をせず、専門業者への依頼を検討してください。
②駆除道具を用意する
屋根裏のコウモリを自力で追い出すには、暗くて足場の悪い環境でも安全に作業できるよう、
事前に道具をそろえておいてください。
忌避スプレーやライト、防護マスク、脚立など、屋根裏に上がる際や作業時に必要な基本装備を準備しましょう。
あわせて、侵入経路を塞ぐための金網やシーリング剤、
再び棲みつかせないための設置型忌避剤など、再発防止に必要なアイテムも忘れずに用意してください。
③服装を整える
屋根裏での作業は、狭く暗い環境での高所作業となるうえ、
コウモリのフンによる病原菌の感染や、突然飛び出してくるコウモリとの接触の危険があります。
安全かつ衛生的に作業を進めるためには、肌の露出を避け、
長袖・長ズボン・手袋・マスク・ゴーグルなどを着用し、防護できる服装を整えてください。
安全のために準備しておくべき道具
- 保護ゴーグル
- 防塵マスク
- 作業着
- ヘルメット
防塵マスク
屋根裏では、乾燥したフンやホコリが舞いやすく、吸い込むことで健康被害につながる恐れがあります。
密閉された空間では粉じんがこもりやすく、防塵マスクの着用は必須です。
病原菌や微細な粒子の侵入を防ぐため、顔にフィットする立体構造のマスクを選び、隙間なく装着してください。
保護ゴーグル
屋根裏ではフンの粉じんやホコリ、忌避剤の飛沫が目に入るおそれがあり、空間も狭いため、作業中は目の保護が重要です。
飛来物や薬剤の影響から目を守るために、密着性の高い保護ゴーグルを装着し、隙間なく着用してください。
作業着
屋根裏は天井板の上を移動する構造のため、姿勢が低くなり、衣類がフンやホコリで汚れやすくなります。
作業中は体をしっかり覆える作業着を着用し、汚れや病原菌との接触を防いでください。
使い捨てタイプの作業着であれば、作業後に屋内へ汚れを持ち込まず、そのまま屋外で脱いで廃棄できます。
帰宅後はシャワーと着替えで、付着した汚れをしっかり落としましょう。
ヘルメット
屋根裏は頭をぶつけたり落下物でケガをする危険があるため、
作業中はヘルメットを着用して頭部を保護しましょう。
折りたたみ式のヘルメットなら収納場所にも困らず、災害時にも活用できます。
④忌避剤を使用する
屋根裏からコウモリを追い出すには、嗅覚に強く作用する忌避剤が効果的で、
約3ヶ月効果が持続する設置型タイプなら、立ち入りづらい屋根裏でも使いやすいです。
設置場所は、出入り口になっている隙間の周辺や、フンが集中している箇所、屋根裏の内部などが適しています。
ただし、屋根裏は誤って天井を踏み抜く危険があるため、
作業は点検口から手の届く範囲にとどめ、無理に入り込まないようにしてください。
害獣忌避剤屋根裏害獣ニゲール
植物由来の香りでコウモリの嗅覚を刺激し、不快感を与える設置型の忌避剤。
約3ヶ月間効果が持続し、広い範囲に作用するため、屋根裏に置くだけで手間なく対策できます。
イカリ消毒 スーパーコウモリジェット
スーパーコウモリジェットは、ハッカの香りでコウモリの嗅覚を刺激し、
不快感を与えるスプレータイプの忌避剤です。
物理的に触れることなく使えるため、屋根裏のような狭くて危険な場所でも安全に追い出しができます。
屋内からは点検口を通して、屋外からは軒下の隙間など出入り口に向けて噴射することで、
屋根裏に潜んでいるコウモリを追い出せるほか、隅にピンポイントで棲みついている場合にも有効です。
⑤ライトを付ける
コウモリは暗く静かな場所を好むため、センサー付きライトや常時点灯タイプのライトを設置して、
コウモリが近寄りにくい環境を作りましょう。
屋根裏は構造上、奥まで光が届きにくいため、出入りが予想される隙間の周辺を中心に複数のライトを設置することで、
コウモリが棲みつきづらい環境を作れます。
LEDフラッシュライト
不規則に点滅するストロボタイプのLEDライトは、
強い光と刺激によってコウモリに不快感を与え、屋根裏に棲みつかせないための対策として有効です。
⑥清掃・消毒をする
コウモリを追い出したあとは、屋根裏に残ったフンや尿を取り除き、清掃と消毒を行いましょう。
消毒液は直接スプレーせず、ペーパーや雑巾に染み込ませてから拭き取るのが基本です。
そのまま噴射すると、乾燥したフンが粉じん化して舞い上がり、
空気中に広がって感染症の原因になる恐れがあります。
清掃後は使用したペーパーや雑巾を密閉袋に入れて処分し、
使用した道具や手指も消毒・洗浄してから作業を終えてください。
屋根裏は空気がこもりやすく、粉じんや臭気が滞留しやすいので、
マスクやゴーグルなどで防護し、作業時間は最小限に抑えてください。
消毒用エタノール
コウモリのフンや尿には病原菌が含まれている可能性があるため、
清掃後の除菌には消毒用エタノールが有効です。
スプレータイプで扱いやすく、拭き取り後の臭い残りも少ないため、清潔な状態を保てます。
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屋根裏にコウモリが再来しないための対策方法
対策が不十分だと再び屋根裏に戻ってくるおそれがあるため、
再発を防ぐには寄せつけにくい環境づくりと侵入経路の封鎖が欠かせません。
以下の5つの対策を組み合わせることで、コウモリが再び棲みつくのを防ぎやすくなります。
コウモリが再来しないための対策方法
- 超音波装置を使う
- 忌避剤を使う
- 侵入経路を塞ぐ
- コウモリの嫌う環境を作る
- 予防タイプの忌避剤を使用する
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①超音波装置を使う
コウモリは特定の高周波音を嫌うため、屋根裏に超音波装置を設置することで、
不快な空間をつくり再び棲みつくのを防げます。
センサー付きタイプなら自動で作動するため、設置後の手間もかかりません。
超音波装置
超音波装置は、コウモリが嫌がる高周波音を発生させることで、屋根裏への侵入や定着を防ぐアイテムです。
電池式で、2〜3ヶ月ほど継続して使用できます。
超音波装置の主な効果
- コウモリが嫌がる音で、屋根裏に寄りつきにくくなる
- 常時または感知式で作動し、追い出しと再発防止に効果的
- 薬剤を使わず、設置後の管理が簡単
屋根裏の超音波装置の対策方法
超音波装置は、コウモリの出入り口になりやすい隙間や、フンが見つかった周辺に設置すると効果的です。
屋根裏の奥まで入り込むのは危険が伴い、高所作業による転落や、断熱材を踏み抜いて落下する場合があります。
無理に奥まで設置しようとせず、点検口の周辺や手の届く範囲に設置して、音が屋根裏全体に届くようにしましょう。
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②忌避剤を使う
コウモリの再侵入を防ぐには、香りで寄せつけない設置型の忌避剤を活用するのが効果的です。
屋根裏の出入り口付近やフンが見つかった場所など、再来の可能性が高いポイントに置くだけで使えます。
スプレー不要で手間がかからず、他の対策と組み合わせることで予防効果を高められます。
SHIMADA コウモリ寄せつけない! 忌避剤
忌避剤の主な効果
- コウモリが嫌がる香りで屋根裏への接近を防ぐ
- 設置型で火気やスプレーを使わず、安全に使える
- 他の対策と組み合わせることで予防効果が高まる
屋根裏の忌避剤の対策方法
屋根裏で忌避剤を使う際は、コウモリの出入りが予想される隙間の周辺や、
フンが落ちていた場所を中心に設置してください。
屋根裏は空気がこもりやすいため、点検口から手の届く範囲に設置するだけでも、
一定の効果が期待できます。
ただし、屋根裏は構造上、奥まで入り込むと天井を踏み抜く危険があるため、
無理に侵入せず、点検口周辺での対策にとどめましょう。
③侵入経路を塞ぐ
侵入経路の封鎖は、誤った方法や不安定な足場での高所作業によって事故につながる恐れがあるため、
2階建て以上の住宅では専門業者に任せるのが安全です。
平屋など足場が安定している場合は自力での対策も可能ですが、
安全面や確実性を考えると、なるべく専門業者に依頼することをおすすめします。
ご自身で対応する場合は、建物の外側から、軒下や屋根材の継ぎ目、通気口など、
コウモリが出入りしやすい箇所を確認してください。
わずか1cmの隙間でも侵入されるため、入念にチェックしましょう。
侵入経路を塞ぐ方法は主に以下の2つです。
- ステンレス金網+シーリング剤を併用する方法
- パテを使用する方法
屋根裏内部の作業は、点検口から見える範囲に隙間がある場合に限定し、無理のない範囲で慎重に行ってください。
Chosenal ステンレス金網
ステンレス製の金網は、柔らかく加工しやすいため、屋根裏の形状に合わせて自在に調整できます。
通気性を確保しつつコウモリの侵入を防げるほか、錆びにくく湿気の多い屋根裏で使用できるのが特徴です。
金網の主な効果
- コウモリの侵入経路を物理的に塞げる
- 通気性を確保しつつ、内部への侵入をブロックできる
- 複雑な隙間や通気口などにも柔軟に対応できる
- 錆びにくく屋外使用にも適しており、設置後も目立ちにくい
セメダイン JIS シリコーンシーラント
屋根裏の隙間を塞ぐ際には、柔軟性と防水性に優れたシーリング剤が有効です。
軒下や屋根材の接合部、通気口まわりなど複雑な隙間にも密着しやすく、
金網と併用することで固定力が高まり、再侵入をより確実に防げます。
シーリングの主な効果
- 屋根裏に通じる小さな隙間を密閉
- 複雑な形状の隙間にも対応可能
- 湿気に強く、屋根裏でも使用可能
- 金網との併用で密閉性と固定力アップ
近与(KONYO) KHT コーキングガン
屋根裏で隙間を塞ぐ際は、コーキングガンを使えばシーリング剤を均一に塗布でき、ムラなく密閉できます。
狭く複雑な場所でも力をかけすぎずに施工できるため、安全かつ仕上がりもきれいです。
コーキングガンの主な効果
- シーリング剤を均一に塗布し、隙間を綺麗に塞げる
- 複雑な形状の隙間にも対応しやすい
- 金網との併用で密閉性と固定力アップ
屋根裏のステンレス金網の対策方法
隙間のサイズや形状を確認し、凹凸や曲面がある場合は、柔軟に加工できるステンレス製の金網を使用しましょう。
金網はハサミで必要なサイズにカットし、手で曲げて成形したうえで、隙間に被せるか丸めて塞ぎます。
仕上げにコーキングガンで金網の周囲にシーリングを施すことで、隙間を密閉でき、耐久性も高まります。
シーリングの使い方
隙間をシーリングで塞ぐ際は、ホコリや汚れを拭き取り、乾いた状態にしておきましょう。
下準備ができたら、コーキングガンにシーリング剤をセットし、隙間に沿って均一に塗り込みます。
塗布後は指やヘラで押さえて密着させ、表面を滑らかに整えてください。
金網やパンチングメタルを併用する場合は、シーリング剤を接着材として活用します。
金網の端に沿って塗り込み、ズレを防ぎながら隙間を確実に塞ぎましょう。
仕上げに、製品に記載された乾燥時間を守って硬化させれば完了です。
住化エンビロサイエンス チューレスねずばんパテ
防除用パテは、トウガラシの成分を配合した忌避効果を持ち、コウモリや害獣の侵入経路を塞げます。
柔軟性があるため、入り組んだ隙間にも詰め込みやすく、シーリング剤では埋めにくい箇所の封鎖にも効果的です。
耐熱性・耐寒性・難燃性にも優れており、屋根裏のような温度変化の大きい場所でも安心して使用できます。
使用上の使い方と注意点
- 隙間に直接ちぎって詰めて使用
- 丸めたり押し込んだりして密着させる
- 必ず手袋を装着して作業する
パテの使い方
パテを使って隙間を塞ぐ際は、穴を塞ぐ箇所のホコリや湿気を拭き取って清潔な状態にしておきましょう。
次に、パテを必要な量だけちぎり、手で丸めたり押しつぶすようにして隙間へ詰め込みます。
凹凸がある部分や入り組んだ場所にも密着させやすいため、
シーリング剤では対応が難しい箇所にも有効です。
作業時は必ず手袋を着用し、使用後は手や器具をしっかりと洗浄しましょう。
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④コウモリの嫌う環境を作る
コウモリは強い香りや刺激のあるにおいを嫌う傾向があるため、
屋根裏周辺にも自然由来の香りを取り入れることで、近寄りにくい環境を整えることが可能です。
屋根裏に直接設置することは難しくても、
軒下やベランダなど侵入経路になりそうな場所に植物を置くことで、間接的にコウモリを遠ざけられます。
ハーブ苗
強い香りを持つハーブは、コウモリ対策に効果があり、
景観を損なわずに取り入れられるナチュラルな防除手段として継続的な対策にも適しています。
ハーブ苗の主な効果
- 強い香りでコウモリが近づきにくくなる
- 自然素材のため扱いやすく、見た目にもなじみやすい
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⑤予防タイプの忌避剤を使用する
コウモリの再侵入を防ぐには、継続的に香りを放つ予防タイプの忌避剤を使うのが効果的です。
設置型であれば、一度置くだけで一定期間効果が持続するため、頻繁な対応が不要で手間がかかりません。
屋根裏では、天井点検口から手の届く範囲に設置するだけでも、こもった空気に香りが広がり、一定の効果が期待できます。
SHIMADA コウモリ寄せつけない! 忌避剤
忌避剤の主な効果
- コウモリが嫌がる香りで屋根裏への接近を防ぐ
- 置くだけでOK、交換頻度が少なく手軽
- 他の再発防止策と併用しやすく、長期的な対策に最適
放置も危険、自己対応も危険!屋根裏のコウモリはプロにお任せ
一度屋根裏にコウモリが入り込むと、追い出すのは簡単ではありません。
放置すれば、糞尿による悪臭や雑菌の繁殖、断熱材の破損などが進み、
家全体の衛生面や機能面に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。
さらに屋根裏は足場が不安定で視界も悪く、天井を踏み抜いてしまう事故も起こりやすいです。
自力での作業には高い危険が伴うため、専門業者に相談するのが最も安全で確実な対応です。
被害を広げないためにも、異変に気づいたらすぐに専門業者へ相談し、適切な対策を講じましょう。
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