「コウモリが家に住みついて困っている」
そのようなときに超音波で追い出せると聞けば、一度は試してみたくなるものです。
実際、コウモリは自分自身も超音波を使って飛び回る生き物で、
人間が発する音にも敏感に反応します。
しかし、音に慣れてしまったり、周波数を変えて避けたりするなど、
意外としたたかな一面もあります。
完全に追い出すのは簡単ではありませんが、
使い方や設置場所を工夫すれば、一定の効果が期待できるのが超音波による対策です。
この記事では、コウモリの生態や超音波の仕組みから、
超音波対策の効果や注意点、効果的な使用方法までを解説しています。
このような方におすすめ
- 自宅にコウモリが棲みついて困っている方
- 超音波機器やアプリでの対策を検討している方
コウモリの生態と夜行性の特徴
コウモリの超音波対策を行うには、
棲みつきやすい場所や周囲を認識する仕組みなど、
生態を理解したうえで対策を立てることが重要です。
コウモリの生態と夜行性の特徴
- コウモリは夜行性で目が悪い
- 高周波もキャッチするコウモリの聴覚
コウモリは夜行性で目が悪い
家に棲みつくコウモリは夜行性の哺乳類で、暗く静かな場所を好んで活動します。
コウモリの視力は悪いですが、完全に見えていないわけではなく、
暗闇でも最低限の視覚は保たれているといわれています。
コウモリは飛行中の障害物や餌の位置を正確に把握するために、
視覚よりも聴覚に頼り、超音波で周囲の状況を把握しています。
目が悪い代わりに、超音波を使うことで、
夜間でも自在に飛び回り、屋根裏や換気口などの狭い隙間にも迷わず入り込めるのです。
参考
高周波もキャッチするコウモリの聴覚
コウモリは、人間には聞こえない高周波(超音波)を鋭く聞き取る、
非常に優れた聴覚を持っています。
一般に高周波はキーンとした高い音、低周波はドンドンと響くような低い音を指し、
コウモリは高い音域を正確に聞き分ける能力に長けています。
可聴域はおよそ20kHz〜100kHzとされており、
これは人間の上限である約20kHzをはるかに超える範囲です。
この広い音域を活かして、飛行中に障害物や獲物の位置を把握し、
夜間でも自在に移動できます。
こうした空間認識には、自ら発した超音波の反響音を聴き取って
位置を判断するエコーロケーション(反響定位)が関係しています。
コウモリはどのように超音波を使うのか
コウモリの超音波対策を検討する際は、
どのように超音波を活用して生活しているのかを理解することが大切です。
コウモリは、視覚に頼らずに行動するために、独自の音響システムを備えています。
ここでは、超音波を使ったエコーロケーションについて解説します。
コウモリはどのように超音波を使うのか
- エコーロケーション(反響定位)とは
- コウモリはなぜ超音波を使う?
エコーロケーション(反響定位)とは
コウモリは、飛行中に自ら発した超音波を周囲の物体に反射させ、
反響音を聴き取ることで空間を把握しています。
この能力はエコーロケーション(反響定位)と呼ばれ、
視覚に頼らずに物体の位置や大きさ、
動きまでを精密に認識する手段として進化してきました。
反射音の強さや戻ってくる時間をもとに、
コウモリは壁や昆虫などの位置を瞬時に判断し、
暗闇でも的確に飛行や狩りを行えるのです。
参考
コウモリはなぜ超音波を使う?
コウモリが超音波を使う主な目的は、
暗い環境でも周囲の状況を正確に把握することにあります。
夜間や洞窟などの暗所で活動するコウモリにとって、
視覚だけでは飛行や餌の捕獲を安全かつ効率的に行うのは困難です。
超音波を使って対象までの距離や動き、方向を素早く検知し、
障害物との衝突を回避したり、小さな昆虫を的確に捕らえたりしています。
また一部のコウモリは、超音波を鳴き声としても活用しており、
仲間同士で位置を知らせたり、
縄張りを主張するなどのコミュニケーション手段として使われていることも確認されています。
超音波はコウモリにとって、空間認識と社会的行動の両方を支える重要な手段なのです。
コウモリの超音波の使い方
コウモリは飛行中に短く高い超音波を連続的に発し、
対象との距離や動きをリアルタイムで把握できるよう、
発声の間隔や強さを細かく調整しています。
たとえば獲物に近づくと発声の間隔を狭め、
より精密な位置情報を得られるように切り替えます。
複数のコウモリが同時に飛んでいても、
自分の発した音と他の個体の音を区別できるため、
互いに干渉せず行動することが可能です。
コウモリ駆除に超音波は有効なのか
コウモリは自らも超音波を使って飛行する生き物であるため、
外部からの超音波に対して敏感に反応する一方、適応力も高いのが特徴です。
最近では、市販の超音波装置やアプリを用いたコウモリ対策も増えており、
手軽に導入できる点から注目されています。
ただし、超音波だけですべての個体を完全に追い出せるとは限らず、
あくまで対策のひとつとして取り入れるべきです。
以下では、コウモリに有効とされる周波数の解説や、
慣れによる適応も含め、超音波の有効性について解説します。
有効な場合はあるが即効性は劣る
超音波を活用したコウモリ対策は、侵入場所に直接設置できる手軽さと、
薬剤を使わない安全性から導入しやすい方法です。
コウモリの習性を考慮して設計された機器であれば、
一定の嫌悪反応を示すことが確認されています。
ただし、効果の出方には個体差があり、
設置してすぐに姿を消すとは限りません。
環境や機器の性能、設置場所によっても効果が左右されるため、
過度に期待しないようにしましょう。
一時的に追い払えたとしても、
音に慣れて戻ってくるケースもあるため、超音波のみの対策では不十分です。
コウモリに有効な周波数
コウモリの可聴域はおおよそ20kHz〜100kHzとされており、
エコーロケーションに使われるのは40kHz〜60kHz前後の周波数帯です。
この特性をもとに、市販のコウモリ用の
超音波発生装置は25kHz〜65kHzの範囲で設計されているものが多く、
コウモリの聴覚に直接影響を与えるよう作られています。
25kHz〜65kHzの周波数帯は、
コウモリにとって自らの音と干渉する不快なノイズとして知覚されるため、
居心地の悪い空間を作る手段として有効です。
コウモリの超音波への適応能力
コウモリは、高度な聴覚を持つだけでなく、
繰り返し同じ周波数の音を聞き続けると慣れてしまう性質があります。
自分が発する超音波の周波数を状況に応じて変化させるため、
外部からの音にも柔軟に対応していきます。
日本の住宅に棲みつきやすいアブラコウモリ(イエコウモリ)は、
適応力が特に高く、人の生活環境に順応してきたコウモリです。
アブラコウモリ(イエコウモリ)に対しては、同じ超音波を長期間当て続けても、
次第に慣れて効果が薄れる可能性があります。
超音波対策を行う際は、音に慣れる前提で使用し、
定期的に周波数や設置場所を見直したり、忌避剤など他の対策と組み合わせるのがおすすめです。
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コウモリが棲みつきやすい環境
周囲の環境によって、コウモリが寄りつきやすくなる条件は異なります。
超音波対策を始める前に、
住宅やその周辺にコウモリが好む環境がないかを確認しておきましょう。
コウモリが好む環境
- 暗くて暖かい
- エサになる虫がいる
- 侵入経路、隙間がある
- 河川や農地、池などの自然環境が豊富
暗くて暖かい
コウモリは、直射日光が当たらず気温が安定した薄暗い場所を好み、
風通しが悪く熱がこもる構造は、休息や繁殖の場として狙われやすいです。
屋根裏や軒下、床下、エアコンの室外機などが当てはまります。
エサになる虫がいる
コウモリは昆虫を主食とするため、虫が多い場所は棲みつきやすい環境です。
夜間に灯りがつく玄関灯やベランダ照明には虫が集まりやすく、
エサ場としてコウモリがよってきます。
侵入経路、隙間がある
アブラコウモリなど家に棲みつくコウモリは体が小さく、
1cm程度の隙間からでも建物内に侵入できるため、
換気口やエアコンのドレンホースなどは侵入経路になる可能性があります。
河川や農地、池などの自然環境が豊富
住宅周辺に雑木林や河川、池、農地などがある地域では、
コウモリの餌となる昆虫が大量に発生しやすくなります。
このような環境では、コウモリが住宅地まで飛来する可能性が高く、
超音波対策だけで完全に排除することは困難です。
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コウモリが棲みつくと起こる被害
住宅にコウモリが棲みつくと、悪臭や騒音、
健康被害など、深刻な問題が発生します。
小さな隙間から屋根裏などに入り込んだ場合は、発見が遅れやすく、被害が広がる恐れもあります。
超音波装置で追い出しを行う際は、事前に被害の内容を把握しておきましょう。
コウモリが棲みつくと起こる被害
- 悪臭
- 騒音
- 病原菌
悪臭
コウモリの糞尿は強いアンモニア臭を放ち、
天井裏や壁の隙間など換気の悪い場所に蓄積されると、室内に悪臭が広がります。
長期間放置すれば建材に臭いが染みつき、
追い出した後も清掃や消臭処理を行わなければ、ニオイが残り続けやすいです。
騒音
屋根裏や換気ダクト、外壁の隙間にコウモリが入り込むと、「キーキー」という鳴き声や、
「カサカサ」「バサバサ」といった羽音が響くことがあります。
夜間は活動が活発になるため、睡眠の妨げやストレスの原因になることも。
超音波装置を使用しても、設置位置が適切でない場合は効果が薄く、
騒音被害が長引くことがあります。
病原菌
コウモリの糞には、ヒストプラズマなどの病原菌が含まれている可能性があります。
乾燥した糞は粉じん化しやすく、
空気中に舞い上がることで、室内全体に広がる危険があります。
追い出しに成功しても、糞の除去や消毒を怠ると、
目に見えない健康被害が残るため、乳幼児や高齢者、
免疫力が低下している家族がいる家庭では、早急な対策が必要です。
コウモリのフンに含まれる病原菌・寄生虫 | |||
病原菌 | 感染症名 | 主な症状 | 参照元 |
ヒストプラズマ菌 | ヒストプラズマ症 | 発熱、咳、倦怠感、呼吸器困難など | 岩手感染症情報センター |
サルモネラ菌 | サルモネラ感染症 | 腹痛、下痢、発熱 | JUMA-Vet |
レプトスピラ菌 | レプトスピラ症 | 発熱、頭痛、筋肉痛など、重篤化すると腎不全や肝障害を伴う黄疸が発生する | J-Stage |
狂犬病ウイルス | 狂犬病 | 発熱、神経症状、倦怠感など、発症するとほぼ100%死亡する | 国立感染症研究所 |
ニパウイルス | ニパウイルス感染症 | 発熱、頭痛、嘔吐、急性脳炎症状など 致死率が高い |
理化学研究所 |
リッサウイルス | リッサウイルス感染症 | 狂犬病に似た神経症状など、進行すると中枢神経障害が起きる | 岩手県感染症情報センター |
SARS関連コロナウイルス | SARS | 発熱、筋肉痛など、重篤化すると急性呼吸窮迫症候群を起こす | 理化学研究所 |
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コウモリ駆除に超音波を用いる方法
コウモリは、人間の耳には聞こえない高周波音を嫌がる傾向があるため、
超音波を使った追い出しが可能です。
ここでは、スマートフォン用のアプリと市販の超音波発生装置について、
使い方や注意点を解説します。
超音波アプリ
スマートフォンで利用できる超音波アプリは、
導入コストがかからず手軽に試せる対策です。
40kHz〜60kHzの周波数を出力できるアプリを選び、
コウモリが潜んでいる方向に向けて再生します。
YouTubeでもコウモリ撃退用の超音波動画が複数公開されているので、
利用してみてください。
超音波アプリの使い方
App StoreやGoogle Playで「超音波」で検索し、
該当アプリをダウンロードします。
アプリを起動して40kHz〜60kHzの周波数を選び再生するだけで使えるため、
高周波の出力に対応したアプリを選びましょう。
超音波バリア (Android・iPhone対応)
15kHz〜20kHzの周波数帯に対応した超音波を再生する機能が搭載されたアプリ。
コウモリ以外にも、ハエ・蚊・ネズミ・猫などの忌避を目的とした設定が選べるものもあります。
周波数ジェネレータ(Android対応)
1Hz〜22kHzの周波数帯に対応しており、数値を手動で入力して再生できるアプリ。
害獣や害虫が嫌がるとされる周波数を自分で試せるため、使い方の幅が広いのが特徴です。
超音波アプリのメリット・デメリット
アプリをダウンロードするだけで初期費用なく手軽に使えるため、
スマートフォンさえあれば特別な機器を用意せずすぐに試せるのが大きな利点です。
デメリットは、スマホのスピーカー出力はあまり強くないため、
広範囲には音が届きにくいことが挙げられます。
さらに夜間などに長時間流し続けるにはバッテリーの消耗が大きく、
継続的な使用には不向きです。
タブレットやノートPCでも代用できますが、
屋外や換気口付近など外気にさらされる場所に置くと、
盗難や故障の恐れがあるため、
コウモリ対策に長期間活用するのは現実的とは言えません。
超音波装置
専用の超音波装置は、強力な音波を安定して発生させることができ、
広い範囲にわたってコウモリを追い出す効果が期待できます。
設置場所は、コウモリの侵入経路や滞在しやすい場所に合わせて選びましょう。
超音波装置の使い方
電源を入れてコウモリの侵入経路に向けて設置します。
コンセント式や電池式など使用環境に合ったモデルを選ぶことがポイントです。
超音波装置のメリット・デメリット
メリットは、出力が強く、広い範囲に超音波が届く点で、
一度設置すれば自動で稼働するため、管理の手間がかからず、継続的に使用できます。
一方で、デメリットは初期費用がかかることに加え、
同じ周波数を出し続けるとコウモリが音に慣れてしまう可能性がある点です。
効果を維持するには、他の対策と組み合わせて使用しましょう。
どのような場所に置くのが有効?
超音波装置は、コウモリの侵入経路や潜伏しやすい場所の近くに
設置することで効果を発揮します。
屋根裏・軒下・換気口・シャッターのすき間などは、
実際に侵入が確認されやすい場所なので、超音波が遮られないように、
音が直接届く角度と距離を意識して設置してください。
屋根裏や天井裏の場合
屋根裏にコウモリが潜んでいる場合は、
天井点検口の近くから超音波を屋根裏へ向けて発信します。
音が遮られる構造の場合、複数箇所に設置するのも効果的です。
空間が広いため、超音波が拡散するよう天井板から30〜50cmほど離して設置すると、
音が届きやすくなります。
軒下やひさしの裏側
コウモリが休むことの多い軒下には、真下や横から音が届くように機器を固定します。
電源が確保できない場合は、電池式やソーラータイプの装置を選ぶと便利です。
20〜30cmほど離して設置することで、
音波が壁や天井で反射しやすくなり、軒下全体に拡散しやすくなります。
換気口・通気口まわり
換気口はコウモリの侵入口になりやすいため、
吹き出し口に対して正面から超音波が当たる位置に設置するのが効果的です。
風の流れやダクトの形状により音が遮られることがあるため、
位置を調整しながら様子を見ましょう。
10〜20cmほど離すことで、ダクトの奥まで音が届きやすくなり、
内部への侵入を防ぎやすくなります。
シャッターや戸袋の隙間
戸袋やシャッターの隙間に向けて超音波が届くように設置し、
内部に反響する角度を意識すると効果的です。
隙間から20〜30cm程度離すと、音波が入りやすく、
内部にこもるように反響させられます。
上記の距離は目安なので、実際の空間の広さや障害物の有無により、
様子を見ながら位置を調整してください。
超音波対策をする際の注意点
超音波装置を効果的に使うには、事前に注意点を把握し、
他の対策と組み合わせることが重要です。
ここでは、超音波対策を行う際に注意すべき点を解説します。
超音波対策をする際の注意点
- 超音波は継続して使用する必要がある
- 同じ音に慣れると効果が薄れる可能性がある
超音波は継続して使用する必要がある
超音波装置は、短時間の使用では効果が出にくく、
数日から1週間以上の継続使用が推奨されます。
コウモリは警戒心が強く、すぐに移動するとは限らないため、
一定期間は根気よく使用する必要があります。
夜間に活動が活発になることを踏まえ、
タイマー機能や自動起動機能がある製品を活用するとより効果的です。
同じ音に慣れると効果が薄れる可能性がある
コウモリは、同じ音を繰り返し聞き続けると慣れてしまう性質があります。
最初は効果があった超音波でも、時間が経つにつれて警戒心が薄れ、
再び棲みつかれる可能性があります。
効果を維持するには、周波数を変えたり、
装置の設置場所を定期的に見直すことが有効です。
加えて、侵入経路を塞ぐ対策や忌避剤との併用も検討しましょう。
コウモリが嫌がる匂い対策を併用しよう
超音波装置や物理的な遮断に加えて、
コウモリが嫌がる匂いを使った対策を併用することで、
より高い追い出し効果と再来防止が期待できます。
中でも、ハッカやナフタリンなどの刺激臭は、
コウモリにとって居心地の悪い環境を作り出すのに有効です。
コウモリが嫌がる匂い対策を併用しよう
- ハッカ
- ナフタリン
ハッカって?
コウモリは嗅覚が敏感なため、
ハッカの強い清涼感のある香りを不快に感じ、寄りつきにくくなります。
ハッカは植物としても市販されており、
自然由来の方法で対策したい方にとっては取り入れやすい手段です。
屋根裏や換気口、ベランダの隙間など、
侵入が確認されやすい場所に設置すると、忌避効果が期待できます。
ただし、強い香りが苦手な人や、
ペットがいる家庭では設置場所に注意が必要です。
ナフタリンって?
ナフタリンは、防虫剤の成分として使われてきた物質で、独特の強い化学臭がコウモリの忌避に効果を発揮します。
屋根裏・物置・ベランダの隙間など、
コウモリが入り込みやすい場所にナフタリンを設置することで、棲みつかれにくい状態にすることが可能です。
使用方法としては、ナフタリンの粉末を布袋などに入れ、吊るすか置いておく方法が一般的で、
香りが広がりやすくなり、持続性も向上します。
ナフタリンは安価で手軽に使えますが、厚生労働省の安全データシートでは発がん性の可能性が指摘されています。
狭い室内や密閉空間で使用する場合は、換気や取り扱い方法に十分注意してください。
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コウモリを見つけたときのNG行為
コウモリを見かけた際に慌てて対処しようとすると、
法律違反や健康被害につながる恐れがあります。
自己判断での対応は避け、
状況に応じて専門業者への相談を検討してください。
コウモリを見つけたときのNG行為
- 素手で触る
- 天井裏などをのぞき込む
- 捕まえる
- 道具で追い出す
素手で触る
コウモリの体や糞尿には、
狂犬病ウイルスやヒストプラズマなどの病原体が含まれていることがあります。
直接触れると、皮膚や粘膜から感染し、健康被害につながることも。
乾燥した糞が舞い上がることで、手や衣類に付着しても危険なので、
発見しても絶対に素手では触れず、むやみに近づかないようにしましょう。
天井裏などをのぞき込む
コウモリは、屋根裏や換気口、壁の隙間など
暗く静かな場所に潜んでいることが多いため、
気づかず顔を近づけてしまうと、
突然飛び出されて転倒や落下の危険があります。
高所での確認作業は事故が多いので、自力で対応しようとせず、
できるだけ安全な距離から状況を把握するようにしましょう。
捕まえる
コウモリは鳥獣保護管理法により保護されており、
許可を得ずに捕まえたり処分したりすることは法律で禁止されています。
自宅内で発見した場合でも、個人が捕獲した時点で法令違反とみなされ、
罰則の対象となる可能性があります。
被害が深刻な場合は、法令を遵守しつつ適切な方法で対処するためにも、
専門業者に相談するのが安全です。
道具で追い出す
ホウキや棒などで強引に追い払おうとすると、
コウモリが室内を飛び回ってパニックを起こし、
別の場所に逃げ込んでしまうことがあります。
換気口や天井裏の奥などに入り込まれると、
駆除が難航し、被害が長期化する原因になることも。
感情的に動かず、状況を冷静に見極めたうえで、物理的な接触を避けながら対応を検討してください。
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鳥獣保護管理法におけるコウモリの扱い
コウモリは、鳥獣保護管理法によって保護されており、ベランダや軒下に棲みついていたとしても、
許可なく捕獲・駆除することは法律で禁じられています。
違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があり、
個人の判断で強引に対処するのは危険です。
集合住宅では、住人が無断で工事を行ったり、
強い臭気のある忌避剤や大きな音の出る装置を使用した場合、
周囲への配慮を欠いた行動として管理規約違反に問われることがあります。
超音波装置は通常、人には聞こえない周波数で動作しますが、
機種や設置状況によっては高周波音が聞こえるケースや、
ペットへの影響が懸念される場合もあります。
使用前に説明書やレビューを確認し、管理会社へ相談しておくと安心です。
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超音波や匂いだけでなくコウモリ駆除は抜本的な対策が必要
超音波装置やハッカ・ナフタリンといった匂いによる対策は、
一時的に追い出すには有効ですが、それだけでは根本的な解決にはなりません。
コウモリは同じ場所に戻ってくる習性があり、
棲みついた形跡を放置すると、再び侵入される可能性が高まります。
再発を防ぐには、環境全体を見直し、
物理的な遮断や衛生管理まで含めた対策が必要です。
以下に、自力でできるコウモリ駆除の基本手順をまとめました。
コウモリ駆除の手順
- 棲みついている場所を確認する
- 侵入経路を確認する
- 必要な道具を用意する
- 服装を整える
- 忌避剤を使用する
- 糞尿掃除、消毒をする
- 再侵入を防ぐための対策を行う
①棲みついている場所を確認する
コウモリを追い出すためには、どこに棲みついているかを把握しておくことが大切です。
屋根裏や軒下、換気口、通気口など、暗くて静かな場所を好んで潜む習性があるため、
外から見える範囲だけでなく、建物の構造も意識して確認しましょう。
以下のような兆候が見られる場所は、重点的に調べると発見しやすくなります。
コウモリがいるサイン
- 出入り口付近に糞や尿が落ちている
- 鳴き声や羽音が聞こえる
- 夕方に飛び立つ姿を見たことがある
- コウモリが飛び立つのを見たことがある
②侵入経路を確認する
棲みついている場所が確認できたら、
コウモリが出入りしている侵入経路を特定しましょう。
再発防止や物理的な遮断処理を行ううえで、確認作業が重要です。
コウモリはわずか1〜2cmの隙間でも通り抜けられるため、
小さな開口部や建物の継ぎ目なども見落とさないよう注意しましょう。
侵入経路になりやすい場所
- 換気口や通気ダクトのわずかな隙間
- 屋根と外壁の取り合い部分
- 雨戸の戸袋や配管の引き込み口
③必要な道具を用意する
追い出した後に再び棲みつかれないようにするためには、
適切な道具を用意してください。
主な準備品としては、作業用の手袋・防護マスク・懐中電灯など安全確保に必要なもののほか、
忌避スプレーや設置型の忌避剤、金網、シーリング剤などが挙げられます。
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④服装を整える
屋根裏や軒下などで作業を行う際には、乾燥した糞やホコリを吸い込んだり、
突然コウモリが飛び出したりする場合があります。
安全かつ衛生的に対処するためにも、作業着・手袋・防塵マスク・ゴーグルなど、
肌の露出を避ける服装で作業してください。
安全のために準備しておくべき道具
- 防塵マスク
- 保護ゴーグル
- 作業着
防塵マスク
屋外であっても、風で舞い上がったホコリや糞が鼻や口から侵入する可能性があるため、
立体構造で顔にフィットし、隙間なく装着できる防塵マスクを選びましょう。
保護ゴーグル
上向きの作業が多い軒下や屋根裏では、
舞い上がった糞や忌避剤の飛沫が目に入ることがあります。
目の粘膜を守るためにも、顔に密着する保護ゴーグルを使用し、
隙間ができないよう装着してください。
作業着
軒下や庭先では、体をかがめたり狭い場所に手を伸ばしたりする機会が多く、
衣類が汚れやすくなります。
使い捨てタイプを選べば、作業後すぐに処分できるため、汚れを屋内に持ち込む心配もありません。
⑤忌避剤を使用する
超音波装置で追い出しきれなかった場合は、
コウモリが出入りしている場所に忌避スプレーを使用し、確実に追い払う必要があります。
スプレータイプは、狭い隙間や陰になった場所にも届きやすく、
コウモリの嗅覚に刺激を与えて退避を促す効果が期待できます。
噴霧する際は、出入り口となっている隙間の周辺や、
糞が落ちている場所、軒下や壁の影など、潜みやすい箇所を中心に処理してください。
使用時には防塵マスクや手袋を着用し、
風向きや周囲への飛散にも十分注意を払いながら作業を行いましょう。
イカリ消毒 スーパーコウモリジェット
スーパーコウモリジェットは、ハッカの香りを利用してコウモリの嗅覚を刺激し、
不快感を与えるスプレー型忌避剤です。
物理的な接触を伴わないため、軒下や高所など、
手が届きにくい場所にも安全に使用できます。
⑥糞尿掃除、消毒をする
コウモリを追い出したあとは、
棲みついていた場所に残された糞や尿を確実に取り除き、
清掃と消毒を行いましょう。
消毒液を使用する際は、スプレーを直接噴射するのではなく、
ペーパーや雑巾に染み込ませてから拭き取るのが基本です。
いきなり吹きかけると、乾燥した糞が粉じん化し、
吸い込んでしまうことがあるため注意が必要です。作業後は使用したペーパー類を密閉して廃棄し、
手袋や使用道具の洗浄、手指の消毒も忘れずに行ってください。
消毒用エタノール
糞尿にはヒストプラズマなどの病原菌が含まれている可能性があるため、
清掃後は必ず消毒用エタノールなどで除菌処理を行いましょう。
スプレータイプは扱いやすく、拭き取り後も臭いが残りにくいため、
屋外作業でも衛生的に使用できます。
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⑦再侵入を防ぐための対策を行う
追い出しと清掃が完了したら、再侵入を防ぐ対策を行います。
再び棲みつかれないよう、侵入経路を確実に塞ぐことが必要です。
再侵入対策は、金網とシーリング剤を併用するのが効果的で、
換気口や通気口などの広めの開口部には金網を張って物理的に遮断し、
細かい隙間や隙間のフチはシーリング剤で封鎖します。
封鎖前に、コウモリが閉じ込められていないか、必ず確認したうえで行うようにしてください。
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最短・確実に解決したい人はプロに依頼しよう
コウモリは、超音波で一時的に追い出せたとしても、
再び同じ場所に戻ってくる習性があります。
わずかな隙間からの侵入や、見えにくい場所への棲みつきも多いため、
自力での完全な対処は難しいことが多いです。
自宅や健康への影響を最小限に抑え、安全かつ確実に駆除を行いたい方は、
早めに専門の害獣駆除業者に相談するのが安心です。
現地調査や無料の事前見積もりに対応しているため、
コウモリ被害にお悩みの方は害獣お助け本舗にお気軽にご相談してください。
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