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ネズミの天敵とは?自然界での関係性と家庭での被害・対策を解説

ネズミには天敵とされる動物が存在し、自然界ではさまざまな生き物に捕食されています。

「ネズミの天敵を知れば、被害を抑えるヒントになるのでは」と考え、調べている方も多いでしょう。

実際、猫やイタチ、フクロウなど、ネズミを捕食する動物は複数存在します。

ただし、天敵の存在が、そのまま暮らしの中のネズミ対策につながるかは別の話です。

天敵の役割を誤解したままネズミ対策をおこなうと、期待した効果が得られなかったり、別の被害を招いてしまうケースも少なくありません。

本記事では、ネズミの代表的な天敵と生態系における立ち位置を整理したうえで、天敵を利用した対策がどこまで現実的なのかを解説します。

このような方におすすめ

  • ネズミの天敵を正しく理解したい方
  • 天敵対策が本当に有効か知りたい方
  • 自分でやるor頼む判断基準を知りたい方
  • ムダなく確実な対処法を選びたい方

 

 

ネズミの天敵

ネズミの天敵とは、自然界においてネズミを捕食する、もしくは行動を強く制限する動物を指します。

ネズミは生態系の中では比較的弱い立場にあり、さまざまな捕食者との関係の中にあります。

ここでは、ネズミの天敵として知られている代表的な動物について紹介していきます。

ネズミの主な天敵

  • カラス
  • イタチ
  • キツネ
  • ヘビ
  • タカ、ワシ
  • フクロウ

猫は、人との暮らしの中でもネズミと関わってきた、代表的な天敵です。

猫は鋭い聴覚と優れた反射神経を持ち、小型の哺乳類を狩る能力に長けているほか、体臭やマーキングによって周囲に存在を示します。

このような特性から、猫は古くからネズミを遠ざける存在として、重宝されてきました。

古代エジプトでは、農作物を荒らすネズミから穀物を守る目的で猫が大切にされており、

猫が神聖視されていた背景にも、ネズミとの関係が深く関わっていたといわれています。

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カラス

カラスも、自然界においてネズミを捕食する天敵です。

雑食性のカラスは、生きたネズミだけでなく、弱った個体や死骸をエサにすることがあります。

カラスは高い知能を持ち、周囲の状況を観察しながら行動するため、

ネズミが活動しやすい場所や時間帯を把握し、地上に出てきた個体を狙うことも。

屋外では、ゴミ集積所や農地、空き地など、ネズミが姿を見せやすい環境が多く、こうした場所にはカラスも集まりやすいです。

イタチ

イタチの食性は、主にネズミや鳥、昆虫などの小動物を捕食する、肉食寄りの雑食です。

動物や昆虫のエサを中心としながらも、果実や木の実、野菜といった植物も口にし、

環境によっては生ゴミや家畜・ペットのエサを食べることもあります。

イタチは非常に幅広い食性を持つため、ネズミなどのエサとなる生き物が存在する環境に身を置きやすい動物です。

さらに、イタチは人の生活圏に近い場所へ侵入してくることもあります。

天井裏や床下に棲みつくことがあり、ネズミだと思っていたら、イタチだったという例も少なくありません。

ネズミとイタチは行動範囲や活動時間が重なることが多く、その結果、イタチがネズミを捕食する関係が生まれています。

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キツネ

キツネは、肉食傾向が強い雑食性の動物で、ネズミをはじめとした小動物を捕食します。

主なエサはネズミや鳥、昆虫などで、生息環境に応じて捕食対象を変える点が特徴です。

季節や環境によっては、果実や魚、動物の死骸なども食べ、山林や草地だけでなく、人の生活圏に近い場所でも見られることがあります。

キツネは幅広い食性を持ち、生息環境によってネズミとの捕食関係がある動物です。

ヘビ

ヘビは小型哺乳類をエサとする動物の一つであり、ネズミも捕食対象です。

狩りの方法は、物陰や地面近くに身をひそめ、近づいてきた獲物を襲います。

そのため、地面を移動することの多いネズミは、ヘビの捕食対象になりやすいです。

タカ、ワシ

タカやワシも、自然界においてネズミを捕食する天敵です。

これらの猛禽類(もうきんるい)は、上空から地面を見下ろしながら獲物を探します。

視力が非常に優れており、地面を移動する小動物を遠くから見つけられるため、しばしばネズミが捕食対象として狙われます。

都心部では、タカやワシを見かけることは少ないですが、草地や農地、河川敷、山間部などでは、ネズミとタカ・ワシの捕食関係が見られることがあります。

フクロウ

フクロウは夜行性の鳥で、夜間に活動するネズミと行動時間が重なることから、ネズミを捕食してきた天敵です。

フクロウは、暗闇でも周囲の様子を把握できる優れた視力と、わずかな音を聞き分ける高い聴覚を持っています。

飛行音が非常に静かな点も特徴で、ネズミが気づかないうちに近づき、捕食します。

森林や農地、草地の周辺などに生息し、これらの環境ではネズミとフクロウの捕食関係が見られます。

ネズミを取り巻く生態系

ネズミを理解するには、生態系の中でどのような役割を持つ生き物なのかを知ることが大切です。

生態系とは、ある地域に生息する生き物と、それを取り巻く環境がつながって成り立つ仕組みのことです。

生き物同士は、食べる・食べられる関係を通じて結びついています。

ネズミは、植物や昆虫などを食べて生活する一方、イタチやヘビなど多くの動物に捕食される存在でもあります。

つまりネズミは、生態系の中で食べる側と食べられる側の両方に関わる生き物なのです。

ここからは、生態系を構成する生産者・消費者・分解者という3つの立場について順番に見ていきます。

生産者

生産者とは、光や水、二酸化炭素などの無機物を使って、自ら栄養をつくり出す生き物のことです。

主に植物がこれに当たり、光合成によってエネルギーのもととなる有機物を生み出しています。

生産者は、生態系の土台に位置する存在で、ネズミや昆虫、草食動物など多くの生き物の食料源になります。

ネズミも、種子や果実、草など植物由来のものを食べて生活しており、生産者によって支えられている生き物の一つです。

このように、生産者は生態系全体のスタート地点となる重要な役割を担っています。

消費者

消費者とは、植物などの生産者を食べることでエネルギーを得る生き物のことです。

消費者は、食べる対象によって一次消費者二次消費者に分けられます。

植物を直接食べる生き物は一次消費者と呼ばれ、ネズミやウサギ、昆虫などが該当します。

一次消費者を捕食する生き物は二次消費者と呼ばれ、イタチやヘビ、タカ、フクロウが代表例です。

このように消費者同士は、食べる・食べられる関係によって生態系の中でつながっています。

ネズミは植物を食べる一次消費者であると同時に、さまざまな肉食動物に食べられる側でもあるのです。

分解者

分解者は、生態系を支えるうえで欠かせない役割を担う生き物です。

生産者や消費者が生きたあと、そのままでは自然に戻らない遺骸や排泄物を分解し、環境を循環させています。

分解者とは、動植物の遺骸や排泄物を分解し、栄養分として自然に戻す生物のことです。

ミミズや菌類がこれにあたります。

例えば、ネズミや植物が死んだあと、分解者が分解することで、土の中に栄養が戻り植物に吸収され、再び生産者を育てる材料になります。

このように分解者がいることで、生態系の中を循環し続けます。

分解者がいなければ、遺骸や排泄物が溜まり、生態系のバランスは保てないのです。

食物連鎖のピラミッドとネズミの位置

生態系では、生き物の数や役割を食物連鎖のピラミッドで表すことで、生物同士の関係が分かりやすくなります。

食物連鎖のピラミッドは、植物などの生産者を一番下に置き、その上に一次消費者、さらに上に二次消費者が重なる形になっています。

下に行くほど個体数は多く、上に行くほど少なくなります。

これは、生産者から消費者へと段階が上がるにつれて、利用できるエネルギーが減っていくためです。

このピラミッドの中で、ネズミは植物を食べる一次消費者に位置します。

一方で、イタチやヘビ、タカ、フクロウなどの二次消費者に捕食される側でもあります。

このようにネズミは、食物連鎖の中で中間に位置し、生産者と捕食者をつなぐ存在として、生態系のバランスに関わっているのです。

天敵を用いた効果的なネズミ対策

天敵を用いたネズミ対策は効果があるのか気になる方も多いかもしれません。

キツネやヘビ、タカ、ワシといった野生動物を実際の対策として活用することは、現実的とはいえません。

そこで取り入れられているのが、天敵そのものではなく、天敵の存在を再現する方法です。

代表的なのが、天敵の尿に含まれるニオイを利用した忌避対策になります。

天敵の尿を使った忌避対策

天敵の尿を使った忌避対策は、ネズミが本能的に警戒するニオイを利用し、棲みつきにくい環境をつくる方法です。

市販されている忌避剤には、キツネの尿(フォックスピー)、コヨーテの尿などが使われ、ネズミを中心に、イタチやテンなどにも忌避効果が期待されるとされています。

捕獲器のように設置場所を厳密に選ぶ必要がなく、侵入を防ぐ予防目的として使いやすいです。

天敵の尿を使う際の設置場所と注意点

天敵の尿を使った忌避対策は、ネズミの侵入経路や通り道を意識して設置してください。

屋外では、建物の基礎周りや床下付近、柵沿いなど、ネズミの侵入経路になりやすい場所を中心に、3〜6m間隔で複数設置し、囲うように配置します。

一方で、効果は永続的ではなく、時間の経過や雨の影響でニオイが弱まるため、定期的な交換が前提となり、室内での使用には向きません。

すでに室内にネズミが棲みついている場合、外部を避けて室内側にとどまったり、別の侵入経路を使うことがあり、十分な効果が得られにくくなります。

製品によってはニオイが強い場合があるため、住宅密集地や集合住宅で使用する際は、近隣住民への配慮も考慮して設置しましょう。

天敵対策はあくまで補助的なもの

天敵のニオイを利用した対策は、ネズミが警戒して棲みつきにくくなる環境をつくるための補助的な手段です。

ネズミの侵入経路が塞がれていなかったり、エサになるものが放置されていたりすると、忌避対策を行っても効果は限定的になります。

猫を飼うことでネズミ対策になると紹介しているメディアもありますが、

猫がネズミを捕食してしまうリスクや、健康面への影響を考えると、ネズミ対策だけを目的に猫を飼う方法は避けるべきです。

ネズミ対策では、天敵を意識した方法だけに頼らず、侵入経路の封鎖やエサ管理といった基本対策を組み合わせることが大切です。

ネズミが嫌うものは他にもある?

ネズミ対策では、捕獲や駆除といった方法だけでなく、ネズミが本能的に嫌う刺激を利用して避けさせる方法があります。

これらはネズミを直接駆除するものではありませんが、警戒心を与えることで、棲みつきにくい環境づくりに役立ちます。

周囲の住民へ配慮したうえで、捕獲や駆除と併用しながら、補助的な対策として取り入れてみてください。

ネズミが嫌うもの

  • 嫌がる臭い
  • 超音波

嫌がる臭い

ネズミは嗅覚が非常に敏感な動物で、強いニオイや刺激のある香りを苦手としています。

そのため、以下のようなニオイは忌避対策として使われることがあります。

ハッカやミントなど清涼感の強い香り

ハッカやミントなどの清涼感の強い香りはネズミの鋭い嗅覚に刺激を与えます。

人にとっては爽やかに感じられる香りでも、嗅覚の敏感なネズミにとっては刺激が強く、不快に感じやすいのです。

庭先やベランダでハッカやミントを育てる場合は、繁殖力が強いため地植えではなく鉢植えがおすすめです。

唐辛子やワサビなど刺激の強い香り

唐辛子やワサビなどの刺激の強い香りも、ネズミが嫌うとされるニオイの一つです。

これらに含まれるカプサイシン由来の刺激成分は、ネズミの鋭い嗅覚や鼻の粘膜を刺激し、

不快感を与えるため、忌避剤の成分としても使われています。

唐辛子などの刺激臭は一定の効果が期待できるため、刺激成分を使った忌避剤を設置してみるのも一つの方法です。

ナフタリンなど化学香料の香り

ナフタリンは強いニオイをもつ化学成分であり、屋根裏や床下などに設置することで、ネズミを避ける効果が期待できます。

一方で、ナフタリンは人体への健康影響が指摘されているため、長時間の吸入や過剰な使用により、

頭痛や吐き気などの症状に加え、発がん性の可能性も指摘されています。

ネズミ対策として使用する際は安全面に十分配慮してください。

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超音波

ネズミは聴覚も非常に優れており、人には聞こえない高い周波数の音まで感知できる動物です。

この性質から、超音波はネズミにとって不快な刺激になりやすいとされています。

現在では、ネズミ対策グッズとして超音波を利用した製品がいくつか販売されており、YouTubeなどでも超音波を発する動画が公開されています。

一方で、ネズミは環境への順応性が高い動物なため、超音波による刺激に慣れてしまう可能性があります。

あくまで補助的な対策として使用してください。

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被害をもたらすイエネズミは3種類

日本の住宅や建物に棲みつくネズミは、主に3種類のイエネズミに分類されます。

それぞれ活動場所や行動範囲、性格などが異なり、被害にも違いがあります。

ネズミ対策を考えるうえで、どの種類が棲みついているのかを把握しておくことが大切です。

被害をもたらす3種類のイエネズミ

  • クマネズミ
  • ドブネズミ
  • ハツカネズミ
 

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クマネズミ

クマネズミは、都市部の住宅やビルなどに多く見られる代表的なイエネズミです。

天井裏や壁の内部といった人目につきにくい場所に棲みつくことが多く、

警戒心と身体能力の高さから、発見や駆除が難しい種類として知られています。

特徴・見た目

体長は約18〜24cmほどで、全体的に細身の体型で、体よりも長い尾を持つのが特徴です。

体毛は黒色〜濃い茶色が多く、腹側はやや白っぽい色合いをしています。

性格は臆病ですが動きは非常に俊敏で、物音や人の気配に敏感に反応します。

行動・生息環境

クマネズミは高い運動能力を持ち、電線やパイプを伝って高所を自在に移動します。 

天井裏や屋根裏、壁の内部など、乾燥した高い場所に巣を作り、気づかれないまま繁殖することも。

湿気を嫌う傾向があり、床下や排水まわりよりも高所を好む点が特徴です。

食性・繁殖

雑食性ですが、穀物や果物など植物性の食べ物を好みます。 

繁殖力が非常に高く、生後およそ3か月で繁殖可能になり、1回に5〜6匹を年に複数回出産するとされています。

糞の特徴

糞は細長い楕円形、長さは6〜10mmほどで、色は茶色や灰色で、食べた物によって多少変化します。

高所を移動する習性から、天井裏や換気扇周辺で見つかることが多いです。

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ドブネズミ

ドブネズミは、都市部の下水道や建物の床下など、湿った環境に棲みつくイエネズミです。

体が大きく行動範囲も広いため、住宅や店舗などで深刻な被害につながることがあります。

特徴・見た目

体長は約22〜26cmとイエネズミの中でも大きめで、ずんぐりとした体型をしています。

尾は体に対して短く、耳も小さく、体毛は茶褐色〜灰色で、腹側はやや白っぽいです。

警戒心が強く食欲旺盛で、状況によっては人やペットに威嚇行動を見せることがあります。

行動・生息環境

ドブネズミは泳ぎや穴掘りが得意で、下水道・床下・側溝など湿気の多い環境を好みます。

寒さに弱いため、冬場は暖かい建物内に侵入しやすく、 床下や倉庫、キッチンなどに巣を作ることがあります。

巣は布切れや紙くずなどを集めた簡易的なもので、人目につかない暗い場所に作られることが多いです。

食性・繁殖

ドブネズミは雑食で、穀物・肉・魚・残飯など幅広いものを食べます。

繁殖力も高く、生後約3か月で成熟し、1回の出産で6〜9匹を、年に5〜6回出産するといわれています。

寿命はおよそ2〜3年です。

糞の特徴

糞は太く整った楕円形で、長さは10〜20mmほどあります。

色はこげ茶色〜灰色で、他のイエネズミと比べてサイズが大きい点が特徴です。

排水管や側溝から侵入しやすいため、キッチン・トイレ・浴室など水回りで発見されることがあります。

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ハツカネズミ

ハツカネズミは、都市部や郊外の住宅に棲みつくイエネズミで、繁殖力が非常に高く、短期間で数が増えやすいのが特徴です。

見た目は小さくかわいらしく見えることもありますが、食品への被害や感染症をもたらす害獣です。 

特徴・見た目

体長は約6〜10cmほどと小型で、灰褐色の体毛を持ちます。

耳や目が大きく、クマネズミやドブネズミよりも一回り小柄です。

体が小さいため、わずかなすき間からでも侵入でき、動きも俊敏なことから発見しにくい種類でもあります。

行動・生息環境

屋外では草地や畑、雑木林などに生息していますが、寒さを避けるため秋から冬にかけて建物内へ侵入します。

1cmほどのすき間があれば入り込めるため、床下・押入れ・壁の中・厨房のシャッター下など、人目につきにくい暖かい場所に巣を作ります。

狭い空間を好む性質があり、棲みついても気づきにくく、一気に数を増やすのが特徴です。

食性・繁殖

雑食性で、穀物や野菜、残飯などを幅広く食べます。

繁殖力が非常に強く、生後およそ1か月で成熟し、1回に5〜6匹を年に数回出産するといわれています。

寿命は1〜1.5年ほどで、クマネズミやドブネズミより短めです。

糞の特徴

ハツカネズミの糞は4〜7mmほどで、米粒に似た細長い形をしており、両端が尖っているのが特徴で、色は茶色っぽく、散らばって見つかりやすいです。

物置や倉庫、押入れの隅などで発見されることもあります。

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ネズミの被害

ネズミは本来、天敵の存在を強く警戒する動物です。

天敵がいないと判断した環境では安心して棲みつき、行動範囲を広げてしまいます。

一度棲みつかれると、糞尿によるニオイや騒音、配線や柱をかじられるなど、被害は短期間で拡大します。

ネズミによる主な被害は、次のようなものがあります。

ネズミの主な被害

  • 精神被害
  • 住宅被害
  • 健康被害
  • 害虫発生被害

精神被害

ネズミは夜行性のため、家に棲みつくと夜間に天井裏や壁の中、キッチン周辺を走り回る音が発生します。

カサカサと動く音や、配線や木材をかじるガリガリという音が続くことで、不安感が強まり、睡眠の質が低下することも。

集合住宅では音が周囲に伝わりやすく、近隣トラブルにつながるおそれがあります。

住宅被害

ネズミは前歯が伸び続けるため、木材や断熱材、電気配線をかじります。

結果、壁や床下が傷つき、配線トラブルや火災の原因になるほか、

天井裏が糞尿で汚れてニオイやカビが発生することもあります。

被害が進行すると修繕範囲が広がり、費用もかさみやすくなるでしょう。

健康被害

ネズミは人に感染する病原菌を複数保有しており、命に関わる重篤な病気を引き起こすおそれがあります。

糞尿や体毛、咬傷を通じて病原体が広がるほか、乾燥した糞尿や体毛が舞い上がり、それを吸い込むことで感染につながるケースもあります。

病原菌 感染症名 主な症状 参照元

サルモネラ菌

サルモネラ感染症 腹痛、下痢、発熱 JUMA-Vet

HEVウイルス
E型肝炎 発熱・倦怠感・黄疸 厚生労働省検疫所

クリプトスポリジウム原虫
クリプトスポリジウム症 水様下痢・腹痛・脱水 国立健康危機管理研究機構

レプトスピラ菌
レプトスピラ症 発熱・頭痛・筋肉痛 J-Stage

ハンタウイルス
腎症候性出血熱 発熱・出血・腎障害 日本獣医学会

鼠咬症スピリルム
鼠咬症(そこうしょう) 発熱・頭痛・関節痛 東京都保健医療局

広東住血線虫
広東住血線虫症 頭痛・発熱・神経障害 国立健康危機管理研究機構

害虫発生被害

ネズミの体にはダニやノミなどの寄生虫が付着しており、人やペットに移ることで吸血によるかゆみや皮膚炎を引き起こすことがあります。

中には感染症を媒介する寄生虫もいるため、被害が室内全体や健康被害につながるおそれも。

被害はダニやノミなどの寄生虫だけではありません。

ネズミが断熱材や配線、木部をかじることで住宅にすき間が生じ、ゴキブリやハエ、シロアリが侵入しやすい環境になります。

害虫名 主な症状 参照元

イエダニ
強いかゆみ、発疹、皮膚炎など 日本防疫殺虫剤協会

ノミ
激しいかゆみ、感染症媒介の可能性 日本防疫殺虫剤協会

マダニ
発熱、倦怠感、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)など 東京都保健医療局

トコジラミ
強いかゆみ、睡眠障害、アレルギー反応など 東京都保健医療局

ツツガムシ
吸血による皮膚炎、発熱、発疹 山形県衛生研究所

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自宅でできるネズミ駆除

 

ネズミの被害が軽い段階であれば、自宅で導入できる対策から始める方法もあります。

市販されている対策グッズを使うことで、ネズミが嫌う刺激を与え、棲みつきにくい環境を整えることが可能です。

ただし、天井裏や床下に複数匹が棲みついている、被害が広範囲に及んでいるケースでは、個人での対処が難しいかもしれません。

自力での対策が難しいと感じる場合は、早めに専門業者への依頼も検討してみてください。

忌避剤

忌避剤は、ネズミが嫌うニオイや刺激成分を利用し、棲みつきを防ぐことを目的としたネズミ対策グッズです。

ネズミが強い不快感を覚える刺激を与えることで、一定範囲への接近を避けさせる働きが期待できます。

即効性があり、ネズミの存在に気づいた段階や、被害が軽度な初期対策として導入しやすいです。

スプレータイプや燻煙タイプ、固形タイプなど種類が豊富なため、設置場所や被害状況に合わせて使い分けましょう。

忌避剤の主な効果

  • ネズミが嫌うニオイで近づきにくくする
  • 棲みついたネズミを追い出す
  • 侵入経路周辺の予防対策として使える

 忌避剤の使い方

忌避剤は、糞・足跡・かじり跡などのラットサインが確認できる場所や、ネズミが棲みついている箇所に設置または噴霧します。

天井裏や床下、通気口付近などの暗所はネズミが移動しやすいため、重点的に対策すると効果を感じやすいです。

スプレータイプは侵入経路や通り道に定期的に使用し、ニオイを維持することがポイントです。

固形タイプは時間の経過とともにニオイが弱まるため、数週間を目安に交換しながら継続的に使用しましょう。

殺鼠剤

殺鼠剤は、ネズミが摂取することで体内に成分が作用し、内出血などを引き起こして駆除する薬剤です。

小袋タイプやトレータイプなど形状があり、設置場所や被害状況に合わせて選べます。

駆除後は死骸の回収や周囲の清掃が必要になるため、使用前に手順を理解しておいてください。

殺鼠剤の主な効果

  • ネズミを直接駆除できる
  • 複数箇所に棲みついている場合にも対応しやすい
  • 設置後もしばらく効果が持続する

殺鼠剤の使い方

侵入経路や通り道になりやすい壁際、部屋の隅などに設置します。

穀物やナッツ類の近くに置くと食いつきがよく、食べた跡が見られた場合は補充して様子見しましょう。

駆除後は手袋を着用し、死骸を速やかに回収したうえで、周囲の消毒と清掃をしてください。

捕獲シート

捕獲シートは、強力な粘着面でネズミを絡め取る駆除アイテムで、薬剤を使わずに設置できるため、比較的扱いやすい対策です。

ネズミの通り道に設置すると効果が出やすく、ペットや子どもがいる家庭でも取り入れやすいです。

一方で、粘着剤は手や衣類に付着しやすいため、設置や処理の際は注意が必要です。

捕獲シートの主な効果

  • 通り道に設置して直接捕獲できる
  • 薬剤を使わずに対策できる
  • 侵入経路の特定に役立つ

捕獲シートの使い方

糞や足跡などのラットサインが見られる壁際に沿って設置します。

部屋の隅や狭い通路では複数枚を並べ、逃げ道をふさぐように配置すると効果的です。

捕獲後は放置せず、速やかに処理と清掃を行い、新しいシートに交換してください。

​​捕獲器

捕獲器は、ネズミを傷つけずに捕まえる非殺傷タイプのトラップです。

内部に入ると扉が閉まる構造で、室内向けの小型タイプから、屋外や倉庫で使える大型タイプまであります。

薬剤を使用しないため、環境や安全面に配慮しながら対策したい場合におすすめです。

捕獲器の主な効果

  • ネズミを生け捕りにできる
  • 薬剤を使わずに対策できる

捕獲器の使い方

ネズミの通り道やエサ場の近くに設置し、内部にピーナッツや穀物類を入れて誘導します。

捕獲後は放置せず、早めに処理するか専門業者へ引き渡してください。

再利用する場合は洗浄と消毒を行い、ニオイを残さないようにしましょう。

超音波

超音波式のネズミ対策機は、人には聞こえない高周波を発してネズミに不快感を与える装置です。

コンセントに差すだけで使えるものが多く、薬剤を使わない点が特徴です。

ただし、ネズミが音に慣れると効果が弱まることがあり、長期的な駆除や再侵入防止には向いていません。

超音波の主な効果

  • 音の刺激でネズミを寄せつけにくくする
  • 設置環境によって広い範囲に対応できる
  • 薬剤を使わず安全に使用できる

超音波の使い方

天井裏、床下、キッチン周辺など、ネズミの気配がある方向へ向けて設置します。

超音波は障害物で遮られやすいため、家具の裏などは避け、できるだけ開けた場所に置くのがポイントです。

位置を定期的に調整し、音の届く範囲を変えることで慣れを防ぎやすくなります。

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駆除だけでなく根本的な環境改善が必要

ネズミを一時的に追い出せても、棲みつく原因が残っていると再発しやすくなります。

効果的な対策には、駆除や捕獲だけでなく、巣になりやすい環境や侵入経路を見直すことが欠かせません。

生活環境そのものを整えることで、ネズミが棲みつきにくい状態を維持しやすいです。

根本的な環境改善のポイント

  • 食べ物がない環境
  • 清潔で整理整頓された環境

食べ物がない環境

ネズミは食べ物のニオイに強く反応し、わずかな残飯や調味料のニオイにも引き寄せられます。

食品は密閉容器で保管し、ペットフードや生ゴミを出しっぱなしにしないよう心がけましょう。

食料源を断つことで、ネズミが棲みつきにくい環境を作れます。

清潔で整理整頓された環境

ネズミは暗く、人目につきにくい場所を好みます。

段ボールや紙袋、布類を溜め込まず、巣作りに使われやすい物を減らしましょう。

天井裏や床下、物置なども定期的に掃除しておくことで、ネズミが棲みつきにくい環境になります。

個人での駆除は難しい!ネズミ対策はプロにお任せ

ネズミには猫やイタチ、フクロウなどの天敵が存在し、自然界では捕食関係によって個体数が調整されています。

一方で、住宅周辺でのネズミ対策では、天敵を用いた方法には限界があります。

ニオイを利用した忌避対策も、ネズミが棲みつきにくい環境をつくるための補助的なものです。

市販の忌避剤や捕獲器など、自力で取り組める対策グッズもありますが、侵入経路の封鎖や巣の撤去まで行わなければ再発しやすいのが実情です。

ネズミ被害を根本から解決するなら、追い出しから捕獲、消毒、侵入経路の封鎖まで一貫して対応できる専門業者への依頼がおすすめです。

害獣お助け本舗では、相談・見積もり無料で、住宅の状況やネズミ被害に合わせた最適な駆除プランをご提案しています。

ネズミ被害を長引かせないためにも、早めにプロへ相談することを検討してみてください。

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害獣お助け本舗編集部

害獣お助け本舗編集部は、
生活を脅かす害獣の情報を発信する専門チームです。

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