「コウモリから感染症がうつるのでは…」
「ニュースで危険なウイルスを聞いて不安になった…」
このような心配を抱えている方は少なくありません。
コウモリは狂犬病やエボラ出血熱など、
命に関わる感染症のウイルスを媒介する存在として知られています。
生体だけでなく糞尿を介して人に影響を与える危険性もあり、
自宅にコウモリが棲みついたままにしておくのは危険です。
この記事では、コウモリから見つかっているウイルスや寄生虫の危険性と、
安心して暮らすための具体的な対策方法をわかりやすく解説します。
快適に過ごすためにも、本記事をぜひ参考にしてください。
このような方におすすめ
- コウモリが媒介するウイルスや寄生虫について知っておきたい方
- コウモリが棲みついているかもしれないと不安な方
- 子どもや高齢者と一緒に暮らしていて健康面が心配な方
- 自力でのコウモリ駆除や予防方法を正しく学びたい方
コウモリとウイルスの関係
コウモリは、世界中で危険なウイルスの自然宿主として注目されています。
SARS、エボラ、狂犬病など、人に重篤な病気を引き起こすウイルスが、
コウモリから見つかっているからです。
背景には、コウモリが持つ特別な免疫システムや、生態的な特徴があります。
なぜコウモリからウイルスが見つかるのか
コウモリは、人にとって危険な病気を引き起こすウイルスを多く持っていることが知られています。
不思議なことに、コウモリ自身はそれらのウイルスに感染しても重い病気になりません。
その理由が、特別な免疫の仕組みです。
人間の場合、ウイルスに感染すると強い炎症反応が起きて発熱や症状が出ますが、
コウモリは炎症を抑えながらウイルスと共存することができるのです。
さらに、コウモリは同程度のサイズの哺乳類に比べて寿命が長く、種によっては平均5〜10年、中には20年以上生きます。
小型哺乳類としては長寿であり、群れで生活するため、ウイルスが長期間生き残りやすい条件が揃っているのです。
研究では、コウモリに感染するウイルスが、宿主を殺さず、ほどほどに増えるよう進化していることが示唆され、
SARSや狂犬病など、人へ感染の可能性があるウイルスの自然宿主として研究されています。
自然宿主・中間宿主・人への関係性
コウモリは多くのウイルスの自然宿主として知られています。
自然宿主とは、病気を発症せずにウイルスを長期的に保持する動物のことです。
ウイルスは通常、コウモリから直接人に感染することは少なく、
間に中間宿主と呼ばれる動物を経由することがあります。
例を挙げると、ニパウイルスはコウモリが自然宿主で、
そこから豚などを介して、最終的に人に感染しました。
コウモリが自然宿主となり、中間宿主を介して人へ感染する流れを理解することは、
病気の拡大を防ぐうえで欠かせません。
参考
コウモリから見つかっているウイルス
コウモリはウイルスの貯蔵庫とも呼ばれるほど、
多くの種類のウイルスを保有していることが知られています。
中には、人に伝染ると重い症状を引き起こし、命に関わることも。
ここでは、これまでにコウモリから見つかっている代表的なウイルスを紹介します。
コウモリから見つかっているウイルス
- SARSウイルス
- メナングルウイルス
- エボラウイルス
- 二パウイルス
- 狂犬病ウイルス
- リッサウイルス
- アルボウイルス
- ハンタウイルス
- ヘンドラウイルス
- マールブルグウイルス
SARSウイルス
SARS(重症急性呼吸器症候群)は、
SARSコロナウイルス(SARS-CoV)によって引き起こされる急性の呼吸器感染症です。
自然宿主はキクガシラコウモリ属と考えられており、
そこから別の動物を経由して人へ感染が広がったとされています。
2002年に中国で最初に報告され、翌年には世界30か国以上に拡大。
感染者は8,000人を超え、致死率は約10%に達しました。
症状は高熱や全身の倦怠感、筋肉痛、咳などから始まり、
肺炎を発症するケースが多く、重症化すると呼吸不全を引き起こします。
潜伏期間は2〜10日ほどです。
参考
メナングルウイルス
メナングルウイルスは、パラミクソウイルス科に属する病原体で、
1998年にオーストラリアの養豚場で初めて報告されました。
死産となった子豚の脳や脊髄から分離されたことが発見のきっかけです。
養豚場では、豚の胎児死亡に関与していたほか、
材料を扱った2人の作業者が発熱などインフルエンザに似た症状を示し、抗体陽性となりました。
こうしたことから、人においても発熱性の疾患を引き起こす可能性があるウイルスと考えられています。
自然宿主はオオコウモリと推定されており、豚を介して人へ感染した事例が報告されています。
現在のところ大規模な流行は確認されていませんが、潜在的な危険性を持つ人獣共通感染症の一つです。
エボラウイルス
エボラウイルスは、エボラ出血熱(EVD)を引き起こす病原体です。
自然宿主はオオコウモリと考えられており、
感染した動物や患者の血液・体液に触れることで人から人へ感染が広がります。
初期は発熱、全身倦怠感、筋肉痛、頭痛、咽頭痛などが現れ、
進行すると嘔吐・下痢・発疹を伴い、重症化すると出血傾向や意識障害が起こります。
致死率は25〜90%と幅がありますが、平均すると約50%で、
現在も特効薬はなく、点滴や電解質補正などの支持療法が中心です。
潜伏期間は2〜21日です。
参考
二パウイルス
ニパウイルスは、ニパウイルス感染症を引き起こす病原体です。
自然宿主はオオコウモリと考えられており、感染した動物との接触や汚染された食品に加えて、
人から人への感染も確認されています。
潜伏期間は通常4〜14日。
発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐などで始まり、急性脳炎や呼吸不全に進行することがあり、
重症例では発症後24〜48時間で昏睡に至るケースも報告されています。
世界的な症例致死率は40〜75%と高く、2023年にバングラデシュで報告された流行では症例致死率が73%に達しました。
根本的な治療法は確立しておらず、対症的な支持療法が中心です。
参考
狂犬病ウイルス
狂犬病ウイルスは、狂犬病を引き起こす病原体で、
哺乳類に感染し中枢神経系に障害をもたらすウイルスです。
人への感染は犬の咬傷や引っかき傷を介するのが一般的ですが、
近年はコウモリを感染源とする事例も報告されています。
潜伏期間は通常1〜3か月(最短で1週間ほど)で、
初期には発熱や傷口付近の異常な感覚が現れるのが特徴です。
その後、興奮、幻覚、恐水症(強い水への恐怖反応)などの神経症状に進行し、
発症後は治療法がなく致死率はほぼ100%になります。
参考
リッサウイルス
リッサウイルスは、狂犬病ウイルスを含むリッサウイルス属に分類される病原体で、リッサウイルス感染症を引き起こします。
狂犬病ウイルス以外の種は稀な人獣共通感染症の原因となり、
自然宿主は果実を食べるオオコウモリや昆虫食のコウモリです。
これまでにヨーロッパ、アフリカ、オーストラリアなどで検出例が報告されています。
人への感染は主にコウモリに咬まれることで起こります。
症状は狂犬病とほぼ同じで、発熱や倦怠感に続いて嚥下困難、
恐水症、筋痙縮などの神経症状が急速に進行する病気です。
発症後に有効な治療法はなく、死亡率が極めて高いのが特徴です。
潜伏期間は20〜90日程度が一般的ですが、まれに数年後に発症した例もあります。
アルボウイルス
アルボウイルスは、蚊やダニといった節足動物を媒介して広がるウイルスの総称で、
これまでに250種以上が確認されており、そのうち80種以上が人へ感染することが知られています。
多くは無症状のまま経過しますが、発熱や発疹、関節痛、リンパ節の腫れなど、
インフルエンザに似た症状を示す場合があります。さらに一部では重症化し、脳炎や出血熱を引き起こすことも。
代表的な疾患にはデング熱、黄熱、日本脳炎、ジカウイルス感染症、
チクングニア熱などが含まれ、致死率や後遺症のリスクが異なるのが特徴です。
参考
ハンタウイルス
ハンタウイルスは、ネズミなどのげっ歯類を主な自然宿主としていますが、
近年ではコウモリから類似のウイルスが見つかっています。
感染はげっ歯類の尿や糞に汚染されたほこりを吸い込むことで起こり、人から人へ広がるケースはまれです。
代表的な疾患には腎症候性出血熱(HFRS) とハンタウイルス肺症候群(HPS)があります。
HFRSはアジアやヨーロッパで発生し、腎機能障害や出血傾向を伴い、
致死率はおよそ3〜15%とされています。
一方、HPSはアメリカ大陸で確認されており、急速に呼吸不全へ進行するのが特徴で、
致死率は約40%と高いです。
参考
ヘンドラウイルス
ヘンドラウイルスは、パラミクソウイルス科ニパウイルス属に属する病原体で、
ヘンドラウイルス感染症を引き起こします。
自然宿主はオオコウモリとされ、オオコウモリから馬に伝播し、さらに馬を介して人へ感染します。
このウイルスは1994年にオーストラリアで初めて確認されました。
それ以降、馬で90頭以上、人では7人の感染例が報告され、そのうち4人が死亡しています。
馬では高熱に加えて重い呼吸器症状や神経症状が現れ、人の場合は呼吸器障害や脳炎を発症するケースがあります。
現在のところ特効薬はなく、治療は対症療法に限られますが、
オーストラリアでは馬用ワクチンの導入によって発生数が減少しました。
日本での発生例はありませんが、依然として危険性の高いウイルスの一つと位置づけられています。
マールブルグウイルス
マールブルグウイルスは、フィロウイルス科に属する病原体で、マールブルグ病を引き起こします。
自然宿主はオオコウモリとされ、洞窟などでの曝露や感染動物との接触で人に感染するほか、
患者の体液を介して人から人へ広がることがあります。
1967年にドイツと旧ユーゴスラビアで初めて確認され、アフリカ各地でも流行が報告されています。
潜伏期間は通常3〜10日(最長21日)で、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐、下痢などから始まり、
進行すると出血症状や多臓器不全を引き起こすことがあります。
致死率は流行によって24〜88%と大きく変動しますが、
平均するとおよそ50%前後に達する極めて危険なウイルスです。
現時点で特効薬や承認ワクチンはなく、対症療法が中心となっています。
参考
コウモリには寄生虫もいる
コウモリはウイルスだけでなく寄生虫も媒介し、
体に付着するダニやトコジラミが人やペットに移ることで皮膚炎やかゆみ、
さらには感染症を引き起こす原因になることがあります。
特に天井裏や屋根の隙間などにコウモリが棲みついた場合、
糞尿だけでなく寄生虫による被害が広がる危険性があるため注意が必要です。
コウモリに潜む寄生虫
- マダニ
- コウモリマルヒメダニ
- コウモリトコジラミ
マダニ
マダニは野生動物や草むらなどに寄生する外部寄生虫で、コウモリにも吸着して血を吸いながら生活します。
コウモリに付いたマダニが人やペットに移ることがあり、
体長は3〜10mmと肉眼でも確認できる大きさです。
吸血されると皮膚の赤みや腫れ、かゆみが起こるほか、
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)や日本紅斑熱などの感染症を媒介することがあります。
近年ではマダニによる重症例や死亡例も報告されており、危険性の高い寄生虫です。
コウモリマルヒメダニ
体長4〜6mmのコウモリ特有のダニで、羽毛や皮膚に付着して群れの中で繁殖する性質があります。
人に寄生すると強いかゆみや発赤、小さなブツブツ(丘疹)が出ることがあり、
不快な皮膚症状を引き起こすのが特徴です。
コウモリトコジラミ
コウモリトコジラミは、トコジラミ(南京虫)の仲間でコウモリを吸血する寄生虫です。
夜行性で暗い場所に潜み、コウモリが棲みついた天井裏や壁の隙間で繁殖します。
本来はコウモリを宿主としますが、人を吸血することもあり、
直径1cmほどの赤い斑点や膨らみができ、強いかゆみや痛みを伴うことがあります。
世界各地で報告されているコウモリの感染症被害
コウモリは世界各地でウイルスの自然宿主として知られ、
人獣共通感染症の発生源として問題視されています。
特にアフリカやアジアでは、エボラ出血熱やニパウイルス感染症など、
致死率の高い感染症がコウモリ由来である可能性が報告されてきました。
中国や中東では SARSやMERSといったウイルスが発生し、数千人規模の死者を出したこともあります。
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日本では寄生虫の被害にも注意が必要
海外では致死性ウイルスが脅威とされていますが、
日本では状況が異なり、寄生虫や衛生面での被害が問題となっています。
国内では、家の天井裏や換気口に棲みつくことで起こる衛生被害や寄生虫の原因となっています。
糞尿による悪臭やシミが発生するだけでなく、乾燥した糞が粉じん化して細菌やカビを含み、
吸い込むことで呼吸器へ悪影響を及ぼす可能性も。
コウモリに寄生していたダニが人の皮膚に付着し、かゆみ・発疹・アレルギー反応を引き起こすこともあります。
このように日本では、ウイルスなどの感染症よりも衛生被害や寄生虫による被害が深刻です。
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寄生虫やウイルス感染につながる危険な行為
家の中や周囲でコウモリを見かけたとき、自己判断で対応するのは危険です。
安易な行動はウイルスや寄生虫による被害を発生させるだけでなく、法令違反にあたることも。
直接触れたり無理に追い払ったりせず、落ち着いて行動しましょう。
コウモリを見つけたときのNG行為
- 素手で触る
- 天井裏などをのぞき込む
- 捕まえる
- 道具で追い出す
素手で触る
コウモリの体や糞尿には、ウイルス・細菌・カビ、ダニなどの寄生虫が付着していることがあります。
素手で触れると皮膚や粘膜から病原体が侵入するおそれがあり、
かゆみや発疹、アレルギー反応を引き起こすことも。
乾燥した糞を吸い込むことで呼吸器系の感染症にかかる可能性もあるため、
直接触れるのは避けてください。
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天井裏などをのぞき込む
コウモリは天井裏などの暗く狭い場所を好んで棲みつきます。
不用意にのぞき込むと突然飛び出してくるだけでなく、
舞い上がった糞やほこりに含まれる細菌・カビを吸入する可能性があります。
呼吸器感染症やアレルギーを発症する原因となるため、直接のぞき込むのは控え、
安全な距離から状況を確認するようにしましょう。
捕まえる
コウモリは鳥獣保護管理法で守られており、許可なく捕獲することは法律で禁止されています。
違反した場合は最大で1年の懲役または100万円以下の罰金が科せられることがあります。
捕獲を試みると、コウモリが興奮して咬んだり引っかいたりすることがあり、傷口からウイルスや細菌が侵入する危険も。
体に付着していたダニが人へ移動し、皮膚症状を引き起こすこともあるため、
捕まえる行為は避けてください。
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道具で追い出す
ホウキや棒でたたいて追い払おうとすると、コウモリが別の場所に逃げ込んで被害が広がるだけでなく、
糞や寄生虫が飛び散って室内に入り込むおそれもあります。
こうした行為はかえってアレルギーや皮膚トラブルの原因になり、
換気口や屋根裏に入り込まれると駆除が難しくなります。
安全に対処するためには物理的な接触を避け、忌避剤の使用や専門業者への依頼がおすすめです。
コウモリの危険なウイルスから身を守るための方法
コウモリはSARSやエボラ、狂犬病などの危険なウイルスを媒介する可能性があるため、
むやみに触れたり自己流で駆除を試みるのはとても危険です。
以下では感染を防ぐための基本的な対処法を紹介しますが、
少しでも不安や危険を感じた場合は無理をせず、専門業者に依頼しましょう。
コウモリの危険なウイルスから身を守るための方法
- 棲みついている場所を確認する
- 侵入経路を確認する
- 駆除道具を用意する
- 服装を整える
- 忌避剤を使用して追い出す
- 清掃・消毒をする
- 侵入経路を塞ぐ
- 嫌がる環境を作る
①棲みついている場所を確認する
コウモリが媒介するウイルスによる被害を防ぐためには、
どこに棲みついているのかを把握することが大切です。
屋根裏や軒下、換気口などの狭く暗い空間を好んで棲みつくため、
気づくのが遅れると糞尿汚染が進み、感染症を引き起こす可能性があります。
次のような兆候が見られる場所は、重点的に確認してください。
コウモリがいるサイン
- 壁や床に小さな黒い糞が点々と落ちている
- 「キーキー」や「カサカサ」といった鳴き声や羽ばたき音が聞こえる
- 夕暮れになると、同じ場所から何度も飛び立つ姿を目にする
- 軒下や換気口付近からツンとした異臭が漂う
②侵入経路を確認する
コウモリは体が小さく柔軟なため、1〜2cmほどのわずかな隙間からでも入り込めます。
建物への侵入を防ぐには、外回りをくまなく点検し、出入りした痕跡がないかを丁寧に確認してください。
次のような場所は侵入口になりやすいため注意が必要です。
侵入しやすいポイント
- 換気口や通気ダクトの周囲
- 屋根と外壁の接続部分
- 壁を貫通している配管の隙間
- 軒下や天井裏につながる小さな隙間
③駆除道具を用意する
コウモリ対策を安全に行うためには、事前の準備が欠かせません。
作業時にウイルスやほこりを吸い込まないよう、手袋・マスク・ゴーグルなどの保護具を用意しましょう。
あわせて、懐中電灯や脚立、糞尿の清掃に使える道具もそろえておくと安心です。
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④服装を整える
コウモリ対策では、糞尿に含まれる細菌やウイルス、
薬剤の飛沫が皮膚や目に付着するリスクがあります。
安全に作業を進めるためには、肌をしっかり保護できるようにしてください。
安全のために準備しておくべき道具
- 防塵マスク
- 保護ゴーグル
- 作業着
防塵マスク
屋根裏や軒下では糞やほこりが舞い上がり、吸い込むことで呼吸器に悪影響を及ぼすおそれがあります。
顔に密着し、隙間ができないタイプを選ぶのが安心です。
保護ゴーグル
コウモリが飛び立つときや薬剤を使用する際には、飛沫が目に入る可能性があります。
顔全体にフィットし、上向きの作業でも隙間ができないゴーグルを選びましょう。
作業着
狭い場所での作業は衣服が汚れてしまうため、専用の作業着や使い捨てタイプがおすすめです。
使用後は屋内に持ち込まず、そのまま処分できるものを用意すると衛生的です。
⑤忌避剤を使用して追い出す
コウモリは強いニオイや刺激に弱いため、専用の忌避剤を使うことで居心地を悪くし、
棲みついた場所から離れさせられます。
市販されているスプレータイプは扱いやすく、被害が軽いうちの初期対策として有効です。
イカリ消毒 スーパーコウモリジェット
ハッカ由来の成分がコウモリの嗅覚を刺激し、不快感を与えることで追い出す効果を発揮します。
天然成分を配合しているため、刺激臭が少なく家庭でも使いやすい点が魅力です。
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⑥清掃・消毒をする
コウモリを追い出したあとは、そのまま放置せず、
棲みついていた場所に残された糞や尿をしっかり清掃・消毒してください。
乾燥した糞は粉じんとなって空気中に舞い上がりやすく、吸い込むと感染症やウイルス、
寄生虫による健康被害を引き起こすおそれがあります。
消毒液を使うときは、直接吹きかけずペーパーや雑巾に染み込ませて拭き取り、
必ず手袋を着用して作業するのが基本です。
使用後のペーパー類は密閉して廃棄し、作業後は道具の洗浄と手指の消毒まで忘れないようにしましょう。
消毒用エタノール
コウモリの体や糞尿にはウイルスや寄生虫が潜んでいる可能性があるため、
清掃後は消毒用エタノールなどを用いて念入りに除菌しましょう。
スプレータイプは取り扱いやすく、拭き取ったあともベタつきにくいため、
狭い空間や屋外での使用にも適しています。
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⑦侵入経路を塞ぐ
コウモリの侵入経路を防ぐには、建物の隙間を徹底的に塞ぐことです。
大きな開口部には金網を張り、小さな隙間はシーリング剤で埋めましょう。
作業の際は、必ず中にコウモリが残っていないかを確認してください。
閉じ込めてしまうと、室内に迷い込むだけでなく、
糞尿やウイルス・寄生虫による被害が拡大する危険があります。
清掃や消毒に加えて侵入経路を塞ぐことで、ウイルス感染や衛生被害を未然に防ぐことにつながります。
⑧嫌がる環境を作る
コウモリには帰巣本能があり、一度追い出しても再び戻ってくることがあります。
追い出した後も数か月〜数年は寄りつきにくい環境づくりを徹底してください。
コウモリは嗅覚や感覚が鋭く強いニオイや光、不規則な音を嫌うため、
習性を利用したグッズを設置すれば再び戻ってくるのを防げます。
ニホンハッカ
メントールを豊富に含み、清涼感のある強い香りを放つ日本原産の多年草です。
害虫やコウモリを遠ざける効果があり、鉢植えで育てれば手軽に防止対策ができます。
ニホンハッカの主な効果
- メントールの香りでコウモリや害虫を寄せつけない
- 日本原産で丈夫、栽培が容易
LEDストロボライト
暗所を好むコウモリにとって、不規則に点滅する強い光は居心地が悪く、近づきにくくなります。
飛来防止や棲みつき予防に効果的ですが、
点滅が強すぎると人にとっても不快になる場合があるため、使用場所には配慮が必要です。
LEDストロボライトの主な効果
- 光の刺激でコウモリを遠ざける
- 不規則な点滅で警戒心を与える
- 夜間の飛来や接近を防止
超音波装置
高周波音に敏感なコウモリは、不規則な超音波を嫌います。
設置することで再侵入を防ぎやすくなり、人の気配を感じさせて棲みつきを防止します。
屋外で使う場合は防水仕様を選びましょう。
超音波装置の主な効果
- 高周波音でコウモリの接近を防ぐ
- 人の気配を感じさせて再侵入を防止
- 防水タイプなら屋外でも長期使用が可能
危険なウイルスから身を守るなら駆除のプロへ
エボラ出血熱やSARSなど、世界で流行した致死性ウイルスの自然宿主としてコウモリはたびたび注目されてきました。
日本のコウモリからこれらのウイルスが確認された報告はありませんが、
新たな感染症が発生する可能性はあります。
ウイルスは目に見えず、知らないうちに人の生活圏へ入り込みます。
特に屋根裏や換気口にコウモリが棲みつくと、糞尿や飛沫を通じて感染してしまう恐れも。
こうした状況で自己流の駆除を試みると、ウイルスや細菌を拡散させたり、
鳥獣保護管理法に抵触する危険性もあり大変危険です。
安全に、かつ確実にウイルスによる被害を防ぐには、コウモリ駆除の専門業者へ依頼するのが最も安心です。
経験豊富なプロなら、追い出しから消毒、再侵入防止まで一貫した対応が可能です。
害獣お助け本舗では無料相談・お見積りに対応しています。
ウイルスの脅威から大切な生活を守るためにも、気になることがあれば専門家に相談してみてください。
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